心の健康づくりのための指針

■HOMEPAGE
■640/480  ■安全衛生管理




事業場における労働者の心の健康づくりのための指針

平成12年8月9日基発第522号の2(通達)

参考 
H12.6.5労働者のメンタルヘルスに関する検討会報告









1 趣旨

 現在、我が国経済・産業構造は、大きな転換期を迎えている。今後、経済のグローバル化、情報化やサービス経済化の一層の進展等により、経済・産業構造はさらに大きく転換するとともに、高齢化の急速な進行が見込まれている。また、労働者の就職意識の変化や働き方の多様化等の変化もみられるところである。このような中、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがあると訴える労働者の割合が年々増加している。さらに、今後、経済・産業構造等が変化する中で、業務の質的変化等による心身の負担の一層の増加が懸念されている。

 心の健康問題が労働者、その家族、事業場及び社会に与える影響は、今日、ますます大きくなっている。労働者とその家族の幸せを確保するとともに、我が国社会の健全な発展という観点からも、事業場において、より積極的に心の健康の保持増進を図ることが重要な課題となっている。

 本指針は、事業場において事業者が行うことが望ましい労働者の心の健康の保持増進のための基本的な措置(以下「メンタルヘルスケア」という。)が適切かつ有効に実施されるため、メンタルヘルスケアの原則的な実施方法について総合的に示したものであり、各事業場の実態に即した形で実施可能な部分から取り組んでいくことが重要である。




2 メンタルヘルスケアの基本的考え方


(1)事業場におけるメンタルヘルスケアの重要性

 ストレスの原因となる要因(以下「ストレス要因」という。)は、仕事、職業生活、家庭、地域等に存在している。心の健康づくりは、労働者自身が、ストレスに気づき、これに対処すること(セルフケア)の必要性を認識することが重要である。
 しかし、労働者の働く職場には労働者自身の力だけでは取り除くことができないストレス要因が存在しているので、労働者のメンタルヘルスケアを推進していくためには、労働者の取組に加えて、事業者の行うメンタルヘルスケアの積極的推進が重要であり、労働の場における組織的かつ計画的な対策は、心の健康の保持増進を進める上で大きな役割を果たす。さらに、労働安全衛生法上、事業者は労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなくてはならないとされている。メンタルヘルスケアは、健康の保持増進を図る上で重要な活動である。
 事業場におけるメンタルヘルスケアを推進するためには、心の健康に影響を与える職場の要因の具体的問題点を様々な面から把握し、これを改善することが重要である。
 また、労働者への心の健康に関する正しい知識の付与は、労働者による自発的な相談を促進する等、心の健康問題を解決していく上で大きな役割を果たし、労働者と日常的に接する管理監督者や事業場内産業保健スタッフ等に正しい知識が付与されることは、メンタルヘルスケアの推進に不可欠である。
 さらに、労働者による自発的な相談への対応のため、職場内に相談しやすい雰囲気をつくったり、相談に応じる体制を整えることが重要である。また、専門的な知識を有する事業場外資源とのネットワークの構築が重要であり、これを活用して、教育研修、労働者への相談対応等を実施し、必要な場合には、職場適応、治療又は職場復帰の指導等の対応を図ることが重要である。



(2)メンタルヘルスケアの推進に当たっての留意事項

 事業者は、メンタルヘルスケアを推進するに当たって、以下の事項に留意することが重要である。

 イ 心の健康問題の特性

  心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、その評価は容易ではなく、さらに、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しい。また、心の健康は、すべての労働者に関わることであり、すべての労働者が心の問題をかかえる可能性があるにもかかわらず、心の問題をかかえる労働者に対して、健康問題以外の観点から評価が行われる傾向が強いという問題や、心の健康問題自体についての誤解等解決すべき問題が存在している。

 ロ 個人のプライバシーへの配慮

  メンタルヘルスケアを進めるに当たっては、労働者のプライバシーの保護及び労働者の意思の尊重に留意することが重要である。心の健康に関する情報の収集及び利用に当たっての、個人のプライバシー等への配慮は、労働者が安心して心の健康づくり対策に参加できること、ひいては事業場の心の健康づくり対策がより効果的に推進されるための条件である。

 ハ 人事労務管理との関係

  労働者の心の健康は、体の健康に比較し、職場配置、人事異動、職場の組織等の人事労務管理と密接に関係する要因によって、より大きな影響を受ける。
  メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多い。

 ニ 家庭・個人生活等の職場以外の問題

  心の健康問題は、職場の問題のみならず家庭・個人生活等の職場外の問題の影響を受けている場合も多い。また、性格上の要因等も心の健康問題に影響を与え、これらは複雑に関係し、相互に影響し合う場合が多い。




3 心の健康づくり計画

 メンタルヘルスケアは、中長期的視点に立って、継続的かつ計画的に行われるようにすることが重要である。このため、事業者は、衛生委員会等において調査審議し、事業場の心の健康づくりに関する職場の現状とその問題点を明確にするとともに、その問題点を解決する具体的な方法等についての基本的な計画(以下「心の健康づくり計画」という。)を、それぞれの事業場の実態と必要性に応じて策定すること。
 また、この計画の中で、事業者自らが、事業場におけるメンタルヘルスケアを積極的に実施することを表明することが効果的である。
 心の健康づくり計画で定める事項は次のとおりである。

 @ 事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること

 A 事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること

 B メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること

 C 労働者のプライバシーへの配慮に関すること

 D その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること




4 メンタルヘルスケアの具体的進め方

 メンタルヘルスケアは、労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを予防、軽減あるいはこれに対処する「セルフケア」、労働者と日常的に接する管理監督者が、心の健康に関して職場環境等の改善や労働者に対する相談対応を行う「ラインによるケア」、事業場内の健康管理の担当者が、事業場の心の健康づくり対策の提言を行うとともに、その推進を担い、また、労働者及び管理監督者を支援する「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び事業場外の機関及び専門家を活用し、その支援を受ける「事業場外資源によるケア」の4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが重要である。
 また、中小規模事業者等で必要な人材を確保することが困難な場合には、事業場外資源の活用を図ることが有効である。


(1)セルフケア

イ 労働者への教育研修及び情報提供

 労働者が有効にセルフケアを行うには、心の健康に関する正しい知識が必要である。このため、事業者は、労働者に対して、以下に掲げる項目等を内容とする教育研修、情報提供等を行い、心の健康に関する理解の普及を図ること。

 (イ)ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識

 (ロ)セルフケアの重要性及び心の健康問題に対する正しい態度

 (ハ)ストレスへの気づき方

 (ニ)ストレスの予防、軽減及びストレスへの対処の方法

 (ホ)自発的な相談の有用性

 (ヘ)事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報

 (ト)メンタルヘルスケアに関する事業場の方針


ロ セルフケアへの支援等

 セルフケアを推進するには、労働者が上司や専門家に対して相談することができる体制を整備することが重要である。このため、事業者は、事業場の実態に応じて、その内部に相談に応ずる体制を整備したり、事業場外の相談機関の活用を図る等、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行うこと。
 さらに、ストレスへの気づきのために、ストレスに関する調査票や社内LANを活用したセルフチェックを行う機会を提供することも望ましい。



(2)ラインによるケア

イ ラインによるケアの推進

(イ)職場環境等の改善

 a 職場環境等の改善の対象

  労働者の心の健康には、職場環境(作業環境、作業方法、労働者の心身の疲労の回復を図るための施設及び設備等、職場生活で必要となる施設及び設備等)のみならず、労働時間、仕事の量と質、職場の人間関係、職場の組織及び人事労務管理体制、職場の文化や風土等が、影響を与えるため、これらの問題点の改善を図る必要がある。

 b 職場環境等の評価と問題点の把握

  管理監督者は、日常の職場管理や労働者からの意見聴取の結果を通じ、また、事業場内産業保健スタッフ等によるストレスに関する調査票等を用いた職場環境等の評価結果等を活用して、職場環境等の具体的問題点を把握すること。

 c 職場環境等の改善

  管理監督者は、日常の職場管理等によって把握した職場環境等の具体的問題点の改善を図ること。
  職場環境等の改善は、職場環境・勤務形態の見直し、管理監督者の人間関係調整能力の向上、職場組織の見直し等の様々な観点から行う必要がある。職場環境等の改善に当たっては、労働者の意見を踏まえるよう努めること。また、事業場内産業保健スタッフ等及び事業場外資源の助言及び協力を求めることが望ましい。
  さらに、対策の効果を定期的に評価し、効果が不十分な場合には計画を見直す等、対策がより効果的なものになるように継続的な取組に努めること。

 d 個々の労働者への配慮

  管理監督者は、労働者の労働の状況を日常的に把握し、個々の労働者に過度な長時間労働、過重な疲労、心理的負荷、責任等が生じないようにする等、労働者の能力、適性及び職務内容に合わせた配慮を行うこと。


(ロ)労働者に対する相談対応

  管理監督者は、日常的に、労働者からの自主的な相談に対応するよう努めること。特に、長時間労働等により過労状態にある労働者、強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した労働者、その他特に個別の配慮が必要と思われる労働者から、話を聞き、適切な情報を提供し、必要に応じ事業場内産業保健スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促すよう努めること。



ロ ラインによるケアを推進するための環境整備

(イ)管理監督者への教育研修及び情報提供

  事業者は、管理監督者に対して、以下に掲げる項目等を内容とする教育研修、情報提供等を行うこと。

  a ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識
 
  b 管理監督者の役割及び心の健康問題に対する正しい態度

  c 職場環境等の評価及び改善の方法

  d 労働者からの相談の方法(話の聴き方、情報提供及び助言の方法等)

  e 心の健康問題を持つ復職者への支援の方法
 
  f 事業場内産業保健スタッフ等及び事業場外資源との連携の方法

  g セルフケアの方法

  h 事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報

  i メンタルヘルスケアに関する事業場の方針

  j 労働者のプライバシーへの配慮等

  k 職場でメンタルヘルスケアを行う意義


(ロ)管理監督者に対する支援等

  職場の管理監督者は、職場環境等の改善、労働者に対する相談、心の健康問題を持つ労働者への対応において中心的な役割を果たす。事業者は、管理監督者に対して、その方針を明示し、実施すべき事項を指示するとともに、管理監督者の活動を理解し支援すること。
  また、ラインによるケアを円滑に推進するために、事業場内産業保健スタッフ等による職場環境等の評価と改善への支援、相談への対応等が行われるようにすること。さらに、管理監督者が、事業場外資源から必要な情報を入手できるようにするための支援を行うこと。



(3)事業場内産業保健スタッフ等によるケア

 イ 事業場内産業保健スタッフ等によるケアの推進

 (イ)職場環境等の改善

 a 職場環境等の実態の把握及び評価

  事業場内産業保健スタッフ等は、職場巡視による観察、職場上司及び労働者からの聞き取り調査、ストレスに関する調査票による調査等により、定期的又は必要に応じて、職場内のストレス要因を把握し、評価すること。
  職場環境等を評価するに当たって、職場環境等に関するチェックリスト等を用いることによって、人間関係、職場組織等を含めた評価を行うことも望ましい。

 b 職場環境等の改善

  事業場内産業保健スタッフ等は、職場環境等の評価結果に基づき、管理監督者に対してその改善を助言するとともに、管理監督者と協力しながらその改善を図るよう努めること。

 (ロ)労働者に対する相談対応等

 a 気づきの促進と相談への対応

  事業場内産業保健スタッフ等は、管理監督者と協力したり、職場環境等に関するチェックリストを使用する等により、労働者のストレスや心の健康問題を把握し、労働者の気づきを促して、保健指導、健康相談等を行うこと。
  心身両面にわたる健康保持増進対策(THP)を推進している事業場においては、心理相談担当者による心理相談を通じて、心の健康に対する労働者の気づきと対処を支援すること。また、運動指導、保健指導等のTHPにおけるその他の指導においても、積極的にストレスや心の健康問題を取り上げることも重要である。

 b 職場適応、治療及び職場復帰の指導

  事業場内産業保健スタッフ等は、心の健康問題を持つ労働者の職場適応を管理監督者と協力しながら支援すること。さらに、専門的な治療が必要と考えられる労働者に対しては、その意思に配慮しつつ、適切な事業場外資源を紹介し、必要な治療を受けることを助言すること。また、休業中の労働者の職場復帰について、管理監督者及び事業場外資源と協力しながら指導及び支援を行うこと。

 (ハ)ネットワークの形成及び維持

  事業場内産業保健スタッフ等は、事業場と事業場外資源とのネットワークの形成及び維持に中心的な役割を担うこと。


 ロ 事業場内産業保健スタッフ等の役割

  心の健康づくり活動におけるそれぞれの事業場内産業保健スタッフ等の役割は、上記に示したほか、それぞれの種類に応じて次のとおりである。

 (イ)産業医等

  産業医等は、職場環境等の維持管理、健康教育・健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置のうち、医学的専門知識を必要とするものを行うという面から、事業場の心の健康づくり計画に基づく対策の実施状況を把握する。また、専門的な立場から、セルフケア及びラインによるケアを支援し、教育研修の企画及び実施、情報の収集及び提供、助言及び指導等を行う。就業上の配慮が必要な場合には、事業者に必要な意見を述べる。専門的な相談・治療が必要な事例については、事業場外資源との連絡調整に、専門的な立場から関わる。

 (ロ)衛生管理者等

  衛生管理者等は、事業場の心の健康づくり計画に基づき、産業医等の助言、指導等を踏まえて、具体的な教育研修の企画及び実施、職場環境等の評価と改善、心の健康に関する相談ができる雰囲気や体制づくりを行う。またセルフケア及びラインによるケアを支援し、その実施状況を把握するとともに産業医等と連携しながら事業場外資源との連絡調整に当たる。

 (ハ)保健婦・士等

  衛生管理者以外の保健婦・士等は、産業医等及び衛生管理者等と協力しながらセルフケア及びラインによるケアを支援し、労働者及び管理監督者からの相談に対応するほか、必要な教育研修を企画・実施する。

 (ニ)心の健康づくり専門スタッフ

  事業場内に心の健康づくり専門スタッフがいる場合には、これらの専門スタッフは他の事業場内産業保健スタッフ等と協力しながら、職場環境等の評価と改善、教育研修、相談等に当たる。

 (ホ)人事労務管理スタッフ

  人事労務管理スタッフは、管理監督者だけでは解決できない職場配置、人事異動、職場の組織等の人事労務管理上のシステムが心の健康に及ぼしている具体的な影響を把握し、労働時間等の労働条件の改善及び適正配置に配慮する。



 ハ 事業場内産業保健スタッフ等によるケアを推進するための環境整備

 (イ)事業場内産業保健スタッフ等への教育研修及び情報提供

  事業者は、事業場内産業保健スタッフ等に対して、以下に掲げる項目等を内容とし、職務に応じた項目については専門的なものを含む教育研修、知識修得等の機会の提供を図ること。

  a ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識

  b 事業場内産業保健スタッフ等の役割及び心の健康問題に対する正しい態度

  c 職場環境等の評価及び改善の方法

  d 労働者からの相談の方法(話の聴き方、情報提供及び助言の方法等)

  e 職場復帰及び職場適応の指導の方法

  f 事業場外資源との連携(ネットワークの形成)の方法

  g 教育研修の方法

  h 事業場外資源の紹介及び利用勧奨の方法

  i 事業場の心の健康づくり計画及び体制づくりの方法

  j セルフケアの方法

  k ラインによるケアの方法

  l 事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報

  m メンタルヘルスケアに関する事業場の方針

  n 労働者のプライバシーへの配慮等

  o 職場でメンタルヘルスケアを行う意義


 (ロ)事業場内産業保健スタッフ等への支援等
  
  事業者は、事業場内産業保健スタッフ等に対して、心の健康の保持増進に関する方針を明示し、実施すべき事項を委嘱又は指示するとともに、必要な支援を行うこと。
  また、事業者は、事業場内産業保健スタッフ等が労働者の自発的相談等を受けることができる制度及び体制を、それぞれの事業場内の実態に応じて整えること。
  さらに、事業者は、事業場内産業保健スタッフ等が事業場外資源の活用を図れるよう、必要な措置を取ること。
  なお、大規模事業場及び一定規模以上の事業者では、事業場内に又は企業内に、心の健康づくり専門スタッフを確保することが望ましい。また、心の健康問題を有する労働者に対する就業上の配慮について、事業場内産業保健スタッフ等に意見を求め、これを尊重することが望ましい。



(4)事業場外資源によるケア

 イ 事業場外資源の活用

  事業者は、メンタルヘルスケアを推進にするに当たって、必要に応じ、それぞれの役割に応じた事業場外資源を活用することが望ましい。
  特に、中小規模事業者等で、事業場内産業保健スタッフ等によるケアを推進するために必要な人材の確保が困難な場合は、地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター、中央労働災害防止協会、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター等のそれぞれの役割に応じた事業場外資源の支援を受ける等その活用を図ることが有効である。

 ロ 事業場外資源とのネットワークの形成

 (イ)大規模・中規模事業場等
  
  大規模・中規模事業場等は、メンタルヘルスケアを推進するに当たって、専門的な知識等が必要な場合は、事業場内産業保健スタッフ等が窓口となって、適切な事業場外資源から必要な情報提供及び助言を受けること。また、必要に応じて労働者を速やかに事業場外の医療機関及び地域保健機関に紹介するためのネットワークを日頃から形成しておくこと。
     また、一定規模以上の企業に属する事業場においては、企業内に心の健康づくりの専門スタッフを確保し、所属事業場におけるメンタルヘルスケアを推進することが望ましい。
  
 (ロ)小規模事業場
     
  50人未満の小規模事業場では、メンタルヘルスケアを推進するに当たって、事業場内に十分な人材が確保できない場合が多いことから、必要に応じ、地域産業保健センター等の事業場外資源を活用することが有効であり、衛生推進者又は安全衛生推進者に事業場内の窓口としての役割を持たせるよう努めること。







用語の意義

 本指針において、以下に掲げる用語の意義は、それぞれ以下に定めるところによる。

(1)ライン …… 日常的に労働者と接する、現場の管理監督者をいう。
(2)産業医等 …… 産業医その他労働者の健康管理等を行う医師をいう。
(3)衛生管理者等 …… 衛生管理者、衛生推進者又は安全衛生推進者をいう。
(4)事業場内産業保健スタッフ …… 産業医等、衛生管理者等及び事業場内の保健婦・士をいう。
(5)心の健康づくり専門スタッフ …… 心理相談担当者、産業カウンセラー、臨床心理士、精神科医、心療内科医等をいう。
(6)事業場内産業保健スタッフ等 …… 事業場内産業保健スタッフ及び事業場内の心の健康づくり専門スタッフ、人事労務管理スタッフ等をいう。
(7)地域保健機関 …… 精神保健福祉センター、保健所、市町村保健センター等をいう。
(8)事業場外資源 …… 地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター、健康保険組合、労災病院勤労者メンタルヘルスセンター、中央労働災害防止協会、労働者健康保持増進サービス機関等、産業医学振興財団、日本医師会、都道府県医師会、産業医科大学、精神科・心療内科等の医療機関、地域保健機関、各種相談機関等の事業場外でメンタルヘルスへの支援を行う機関及び労働衛生コンサルタント、産業カウンセラー、臨床心理士、精神保健福祉士等の事業場外でメンタルヘルスへの支援を行う専門家をいう。