・ゆとり休暇
・所定外労働へらすために何をするべきか

■HOMEPAGE
■640/480 



戻る


ゆとり休暇推進要綱

ゆとり休暇推進要綱

(平成7年7月中央労働基準審議会了承)

ゆとり休暇推進要綱の全文参照

第1 趣旨(略)
第2 休暇の意義(略)
第3 これからの休暇の重点目標

1 まとまった日数の連続した休暇の確保

  休暇の過ごし方を充実させるためには、まずある程度まとまった日数の連続した休暇を確
 保する必要があり、長期の連続休暇を中心として、年次有給休暇の完全取得を目指す。
  また、平均20日程度となるよう付与日数の引上げを図り、その際、若年者や中途採用者
 にもある程度の日数の休暇を確保しつつ全体の量的水準を向上させる。

2 個人の希望を生かした休暇の普及

  休暇の集中のデメリットや好きな時期に休暇を取りたいという勤労者のニーズを考慮して、
 一人一人が希望する時期に休暇を取得できるということを重視しながら休暇の普及・拡大を
 進める。

3 ライフスタイル、ワークスタイルに合わせた目的別休暇の普及

  年次有給休暇を中心とした各年の休暇のほかに、個人のライフスタイル、ワークスタイル
 に合わせた以下のような多様な目的のための休暇の普及を図る。
  (1)職業生涯のある時期における教育訓練やりフレッシュなどを目的としたまとまった
     休暇
  (2)ボランティア活動等社会活動のための休暇

第4 労使が自主的に取り組むべき事項に関する指針

  労使は、第3で掲げたこれからの休暇の重点目標を実現した「ゆとり休暇」を推進するた
 め、次の措置を講ずるように努めるものとする。

1 休暇の意義についての積極的な認識

  休暇を勤勉さの対極とみるような考え方を改め、休暇の積極的活用は労使双方にとって有
 効であることから、休暇の積極的、創造的な意義についての認識が浸透するよう、労使が協
 力することが必要である。このため、企業のトップによる社内への呼びかけ、管理監督者に
 よる休暇取得の率先垂範、労働組合による企業、組合員への働きかけ等が行われることが必
 要である。特に使用者自らが責任をもって年次有給休暇の取得を促進する必要がある。

2 「年次有給休暇取得システム」の確立

  職場の上司や同僚に気兼ねすることなく年次有給休暇を取得するため、また、連続した休
 暇を取得するためには、職場で休暇の取得計画を作成することがもっとも効果的である。特
 に、今後、休暇に対するニーズの多様化に対応しつつ年休の完全取得を実現するためには、
 各人の休暇取得予定を明示する方法によって休暇取得を進めていくことが適切であるととも
 に、この方式を実効あるものとするためには、年休の完全取得を前提とした業務体制の整備
 を図る必要があるほか、取得計画の実施状況のチェックも重要である。
  このため、以下の点を組み込んだ「年次有給休暇取得システム」を各企業において構築す
 る。

(1)個人別年次有給休暇取得計画表の作成

 イ 休暇年度の初めに、各人の年次有給休暇の年間取得予定を明らかにした「個人別年次有
  給休暇取得計画表」を作成する。
 ロ この計画表の作成に当たっては、各人の年次有給休暇の取得希望時期をあらかじめ聴取
  し、取得時期を調整する。その際には、労働者が職場において同僚との調整を十分行った
  上で年休を取得できるよう、労働基準法第39条第5項に規定されている労使協定による
  年次有給休暇の計画的付与制度を活用することが有効である。
 ハ 計画表の作成に当たって、付与されている年次有給休暇のうち何日分を計画に組み込む
  かについては労使で調整する必要があるが、最低限、前年から繰り越されている日数につ
  いてはすべて計画に組み込む。加えて、新規に付与される日数についても、取得促進に資
  するよう可能な限り計画に組み込む。

(2)年次有給休暇の完全取得を前提とした業務体制の整備

  (1)の方法により年次有給休暇を取得するには、それによって業務の支障が生じないよ
 う、業務体制を整備することが必要である。このため、代行者への権限委譲、休暇取得を織
 り込んだ業務計画の設定、休暇取得者の業務をカバーできるような労働者の多能化、労働能
 率の向上等の取組を行う。

(3)労使による取得状況のチェックとフォローアップ

 イ 年次有給休暇の取得計画を実効あるものとするためには、各部門の長が年次有給休暇の
  取得状況を休暇管理簿等によって常時把握するとともに、その取得状況を給与明細へ記入
  すること等によりそれぞれの労働者へ通知する。
 ロ できる限り、労使一体となった委員会を設置して、年次有給休暇取得計画表の実行状況
  をチェックするとともに、取得の進まない労働者又はその各部門の長への働きかけ及び業
  務計画、要員計画が年次有給休暇の取得に無理がないかのチェック等を行い、強力に取得
  促進を進める。

3 その他の休暇取得促進策

  2のシステムによる完全取得促進のほか、各企業の実態や従業員のニーズに応じて下記の
 ような措置を講ずる。

(1)休暇の一斉又はグループ別取得

   個人別の年休の取得時期設定が困難な企業では、一斉年休又はグループ別年休の導入等
  により休暇の取得促進を図る。

(2)年次有給休暇の取得期間の見直し

   比較的休暇の取りやすい時期が年次有給休暇の取得期間の終了近くにあれば、病気等に
  備えて残しておいた年次有給休暇を集中的に取得できるようになると考えられるため、年
  次有給休暇の取得期間について見直しを行う。(例:夏季に取得しやすい場合には取得期
  間の開始を10月とする。)

(3)アニバーサリー休暇制度等の導入

   職場への気兼ねなく、休みやすい休暇の設定方法として、アニバーサリ−休暇制度(誕
  生日等の記念日及びその前後の日に休暇を取得する制度)等を導入する。また、各都道府
  県等において定めている記念日においては、小・中学校等が休みになるところがあり、可
  能な場合にはそれに併せて休暇を与える。

(4)未消化年休の活用等による病気休暇制度の叢入

   やむを得ず取り残した年次有給休暇については、ただ失効させるのではなく、それを積
  み立てて、病気休暇等に利用できるようにする。

(5)半日単位での年次有給休暇取得の検討

   半日単位での年次有給休暇の利用について、業務上不都合のない職場では、連続休暇取
  得及び一日単位の取得の阻害とならない範囲で、年次有給休暇取得促進の観点からその導
  入を検討する。

(6)下請企業、バートタイム労働者、派遣労働者等に対する配慮

 イ 下請企業、特に下請中小企業においても休暇の取得が進められるよう、親企業は、下請
  企業が一斉休暇を実施する場合には適切な納期を設定する等配慮する。
 ロ 年次有給休暇について比例付与がなされるパートタイム労働者については、比例付与さ
  れる年次有給休暇が完全に取得されるよう、計画表の作成等一般労働者と同様の措置を講
  ずる。
 ハ 派遣労働者については、派遣元事業主が年次有給休暇を与える義務があるので、その取
  得促進を図るとともに、派遣先事業主も適切な配慮をする。
 ニ また、6箇月未満の短期雇用者への有給休暇の付与についても、できる限り配慮する。

4 多様な休暇制度の普及・拡大

  各企業が労働者のニーズに配慮した休暇制度を導入することが望ましいが、特に、以下の
 各制度については、その必要性が高まっていることから、その導入・拡大を進める。

(1)職業生涯の長期化・職務の高度化に対応したリフレッシュ、自己啓発のための各種休暇
  制度(リフレッシュ休暇、教育訓練休暇等)
(2)ボランティア活動等社会活動のための休暇制度(ボランティア休暇等)


第5 「ゆとり休暇」を実現するための労働省の施策(略)







戻る

所定外労働をへらすために何をするべきか

(労働省のパンフレットより)


所定外労働削減要綱の全文参照(改訂前)
新・所定外労働削減要綱(H13.10.24改定)


企業の労使が取り組むべきこと



1.労働時間に対する意識を改革しよう

 あなたの職場では、特別な仕事もないのにつきあいで残っているという「つきあい残業」は
ありませんか? 残業するのを当然視するような雰囲気があっては、所定外労働の削減は望め
ません。まずは「職場に長時間いることが善である」という風潮を改め、「所定外労働は臨時
・緊急のときにのみ行うもの」という原則を認識することが大切です。
 とくに、毎日のように残業が行われている職場では、残業手当が生計費にくみこまれている
といった問題もあって、所定外労働の削減が難しい面もありますが、勤労者自らも残業手当め
あてに残業をするといった考え方があればそれを払拭するように努めることか望まれます。


2.業務体制を改善しよう

 あなたの職場では、業務体制が残業や休日出動を前提にしたものになっていませんか? 仕
事にムダやムラが生じるような業務体制は思い切って見直していくことが求められます。本当
に必要な業務だけをやるようにし、特定の人に集中している仕事をできるだけほかの人に分担
させるようにすることが大切です。業務ごとに必要な人員をきちんと確保し、残業や休日出勤
をしなくても業務が処理できるような体制をとっていくことが求められます。


3.所定外労働削減のための労使委員会を設置しよう

 所定外労働の削減は、労使のいずれか一方だけが取り組んでもなかなか進むものではありま
せん。所定外労働を減らすために何をすべきか労使でよく話し合い、一体となって取り組むこ
とが必要です。そこで、所定外労働削減のための労使一体となった委員会をつくって、具体策
について話し合うとともに、その具体策が効果あるものとなるよう、労使双方が注意を払って
いくことが望まれます。


4.「ノー残業デー」「ノー残業ウイーク」をつくろう

 残業を効果的に減らす方策の一つとして、一定の曜日や週を「ノー残業デー」または「ノー
残業ウィーク」として、その曜日・週には残業を行わないというルールをつくることが考えら
れます。「ノー残業デー」「ノー残業ウィーク」を定めたら、ポスターの掲示、機関紙誌での、
PR等により、社内に十分広報し、実効あるものとなるよう、徹底していく必要があります。
この場合、業務のしわ寄せがその他の曜日・週に回ることがないよう注意しなければなりませ
ん。


5.フレツクスタイム制や変形労働時間制を活用しよう

 所定外労働を減らすことができない理由は何ですか? 勤労者にきくと、「所定労働時間内
では仕事が終わらない」に次いで、「仕事の繁閑が激しい」「取引先の仕事や顧客へのサービ
ス」と答える人が多くなっています。
 特にホワイトカラーの場合は仕事が定型的でなく、時間が不定期になりがちなので、フレッ
クスタイム制を採用し、時間を効率的に配分して全体の労働時間を減らしていくことが有効で
す。
 また、月単位や季節的に業務の繁閑が生じるような場合には、変形労働時間制を採用し、ム
ダを省いて労働時間を短縮していくことが大切です。


6.ホワイトカラーの残業を削減しよう

 近年、定型的でない仕事が増加する中で、特にホワイトカラーにおいて労働時間の管理が困
難となり、残業がなかなか減らないという状況がみられます。そのような通常の労働時間管理
になじまない職種については、裁量労働制を導入し、仕事の仕方を勤労者の裁量にゆだねるこ
とが望まれます。
 一方、労働時間管理が可能な職種については、適正な労働時間管理を行い、サービス残業を
生むことのないよう、労使で注意を払っていく必要があります。


7.時間外労働協定の限度時間を短縮しよう

 時間外労働協定の限度時間は適切に設定されていますか?
 時間外労働を行う場合に労使協定が必要なのは、それにより長い時間外労働を抑制しようと
いう目的があるからです。しかし、現実には必ずしもその機能が果たされていません。そこで
時間外労働協定の本来の目的を再認織し、まずは労働省告示に示される目安時間を下回るよう
に限度時間を設定し、業務の改善を進めながら徐々にその時間を短縮していくことが求められ
ます。


8.「原則限度時間」を設定しよう

 時間外労働協定の限度時間は、文字どおり所定外労働が可能な最大限度の時間数であり、通
常からその時間数を目途として業務を行っていたのでは、なかなか所定外労働を減らすことは
できません。そこで、その時間外労働協定の限度時間とは別にそれを下回るように「原則限度
時間」を設定し、原則として、これを超える所定外労働は行わないようにすることか効果的で
す。また、原則としてある時刻以降は残業を行わないという「原則限度時刻」を定めることも
考えられます。


9.所定外労働を行う理由を限定しよう

 「ノー残業デー」や「原則限度時間」を定めても、単に仕事があるというような理由で残業
をしていたのでは、実効はあがりません。そこで所定外労働を行うにあたっては、できる限り
事前に労使で話し合い、特にノー残業デーの残業や休日労働は、よほどの具体的・限定的な理
由がない限り行わないというように労使で取り決めておくことか望まれます。


10.休日を確保しよう

 健康の維持、回復を図るためには休日をきちんと確保していくことが大切です。そこで残業
や、休日労働を行った場合は、それに応じた代休を与えるといった代休制度を導入することが
望まれます。特に休日労働は行わないというのが原則ですが、やむを得ない場合はあらかじめ
休日の振替を行うようにしましょう。