派遣労働のいま


2009/12/02 労働者派遣法施行規則の一部改正(2010.3.1施行)

(再掲)

改正内容
○労働者派遣-社会保険等の加入確認を厳格化
具体的には、
一般派遣事業の新規許可及び許可更新並びに特定派遣事業の届出の際に提出する事業計画書に添付する様式を改正し、下記事項を加える。
(1) 派遣労働者数
(2) 健康保険・厚生年金保険、雇用保険の未加入者数
(3) (2)の未加入者の氏名及び未加入理由
の項目を追加し、加入状況の確認を徹底する。
○一般派遣事業の許可更新に際して、実地調査等を行う期間を確保するため有効期間満了の3か月前の申請に改める。(現行30日前)

○毎年6月1日現在の「派遣労働者数及び登録者数」及び「雇用保険及び社会保険の派遣労働者への適用状況」については、
これを別様式化し、毎年6月30日までに提出すべきことと改める。
平成22年3月1日施行。


2009/11/25 労働者派遣-社会保険等の加入確認を厳格化

厚生労働省は、
派遣事業の許可及び更新並びに届出の際に添付する事業計画書に
(1) 派遣労働者数、(2) 健康保険・厚生年金保険、雇用保険の未加入者数、(3) 未加入者の氏名及び未加入理由の項目を追加し、加入状況の確認を徹底する。
平成22年3月1日施行。
詳細は ⇒ http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000058490


2009/10/29 派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために(パンフ)

•派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために
 ⇒ http://www.mhlw.go.jp/za/0730/d16/d16.pdf

 厚生労働省が「派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために」のパンフレット(全16ページ)を作成し周知している。


2009/10/29 ILO報告書「派遣労働者が真っ先に職を失った」

 ILO報告書は、経済危機によって最も打撃を受けた労働者層の一つは派遣労働者である。例えば、ドイツでは2008年10月からの4〜6ヶ月間で10万〜15万人の派遣労働者が契約を切られたと推計され、同様の傾向は日本、アメリカ、スペイン、フランスでも見られる。
 これは、来る10月20〜21日にジュネーブのILO本部で開かれる1997年の民間職業仲介事業所条約(第181号)批准促進ワークショップに提出される報告書の記述。


2009/10/10 派遣制度の在り方--労働政策審議会への諮問

 H21.10.7厚生労働大臣からの労働政策審議会への諮問文は以下のとおり。
 今後の労働者派遣制度の在り方について(諮問)

 労働者派遣制度については、労働力の需給調整を図るための制度として、我が国の労働市場において一定の役割を果たす一方で、近年、日雇派遣など社会的に問題のある形態が出てきているほか、やむを得ず労働者派遣を選択する者の存在や法違反事案の顕在化などが課題となってきた。
 このような状況を踏まえ、貴会における調査審議を経て、昨年11月4日に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」を国会に提出したところであるが、同法案は、本年7月21日、衆議院の解散に伴い廃案となったところである。
 同法案提出後、我が国の雇用情勢は急激に悪化し、いわゆる派遣切りが多く発生し、社会問題化するなど、派遣労働者をめぐる雇用環境に大きな変化が生じたところである。
 このため、上記の法律案において措置することとしていた事項のほか、製造業務への派遣や登録型派遣の今後の在り方、違法派遣の場合の派遣先との雇用契約の成立促進等、派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進のために追加的に措置すべき事項についても検討を行い、改めて法律案を提出する必要が生じている。
 以上を踏まえ、厚生労働省設置法(平成11年法律第97号)第9条第1項第1号の規定に基づき、今後の労働者派遣制度の在り方について、貴会の調査審議を求める。

平成21年10月7日
厚生労働大臣 長妻 昭


2009/10/09 「製造業派遣」と「登録型派遣」の是非

(労政審分科会議論がスタート)
 厚生労働省は7日、労働政策審議会職業安定分科会を開き、製造業派遣と登録型派遣の是非を含む「今後の労働者派遣制度の在り方について」の議論を始めた。
 
---審議会(分科会)議論を踏まえて取扱い改正案が国会に提出されるため、
臨時国会には間に合わず、
来年1月召集の通常国会へに提出の見込みが高い、と云われる。


2009/09/27 労働者派遣法改正の行方

(再掲)

 民主党・社民、国民新3党が野党時代の2009.6.26派遣法改正案を共同で衆議院に提出していましたが、その概要は次の通りでした。
 
 ★(この衆議院提出法案は一旦、廃案となりますが、今度は政権与党として改正案を「臨時国会」に提出する意向が示されています。その場合、以下の野党時代の3党合意案が、基礎となる可能性が高い。)


1)法案の名称に「派遣労働者の保護」を盛り込む。
2)法案では、日雇い派遣を禁止。
  派遣労働者の雇用契約については、雇用契約期間が2カ月以下の労働者派遣を禁止。(2カ月以下の雇用契約期間の場合、2カ月に1日を加えた雇用契約期間とみなす。)

3)直接雇用みなし規定を創設。
  みなし規定は、派遣先が(1)禁止業務で派遣を受け入れた、(2)無許可・無届と知りながら派遣を受け入れた、(3)期間制限を超えて派遣を受け入れた、などの違法行為を行った場合、適用する。

4)労働者を派遣し、または派遣の役務の提供を受ける場合は、就業の実態に応じ均等な待遇の確保を図るものとすること。

5)「派遣元から派遣労働者、派遣元から派遣先に対する通知義務事項を拡大」

6)「労働者派遣の受け入れにあたり、派遣先から派遣先労働組合へ通知義務」
7)「いわゆるマージン率を含め事業運営の情報等についてHP等への公開の派遣元への義務づけ」

8)「派遣先での不利益取り扱い禁止」
9)「未払い賃金や社会保険未払いの派遣先の連帯責任」
10)「派遣先への安全衛生教育の義務付け」「派遣先による定期健康診断の代行実施」
11)「派遣労働者の個人情報保護」
12)「派遣労働者所属労働組合と派遣先との団体交渉応諾義務」
――などの内容。

[専ら派遣の問題では]
 専ら派遣に関しては、法人及びその子法人から成る法人グループを「一つの派遣先」とみなし、派遣元は労働者派遣の役務のうち8割を超えて、一つの派遣先に提供してはならないとしている。

[罰則]
1) 罰則の最高額を300万円から3億円に引上げる。
2) 「違法な労働者派遣事業を行った法人に対する罰則」「違法な労働者供給事業を行った法人に対する罰則」それぞれの強化する。
3) 「派遣先に対する罰則の導入」も法案に盛り込んでいる。

[製造業派遣の問題]
1)専門的な知識や技術を必要とする業務及び育児・介護休業期間中の代換要員を除き製造業派遣を禁止する。
2)一般労働者派遣事業について26専門業務以外は常用雇用のみとする。
3)派遣労働者等について、雇用される期間が6月未満であっても、雇用保険の被保険者とすること。

法案要綱は次のURLにおいて確認することができる。
⇒ http://www.dpj.or.jp/news/files/090626youkou.pdf


2009/09/04 「就労資格は個人情報であり、派遣先である当社では確認できない。」

 2009.9.3, 日本経済新聞朝刊に次の記事を見た。
『 パナソニックの草津工場(滋賀県草津市)で働いていた中国人36人が、不法残留などの疑いで、滋賀県警と大阪入国管理局に摘発や厳重注意されていたことが2日、分かった。不法残留者がいるとの情報で合同捜査していた県警と入管は昨年11月、草津工場で働く20〜30代の男女10人を入管難民法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕した。
 その後、同工場で働く別の16人も不法残留や資格外活動が判明し、逮捕した10人とともに強制退去処分とした。このほか資格外活動許可を取らずにアルバイトなどで働いていた留学生が10人おり、入管が厳重注意した。
 摘発を受けた中国人は、偽造した外国人登録証を使うなどしていた。
 パナソニック広報グループは「昨年11月に10人が逮捕された事実は把握しているが、就労資格は個人情報であり、派遣先である当社では確認できない。事件の後、雇用主である派遣会社には、就労資格の徹底をお願いしている」とコメントした。 』


[編注]
パナソニック広報のコメントがおもしろい。
>>「就労資格は個人情報であり、派遣先である当社では確認できない。」

派遣は禁止、直接雇用でとの主張が勢いを得そうなコメントではある。


2009/08/30 ヤマハ発、日産に人員派遣、30〜40人、雇用維持図る

(2009.8.29日本経済新聞 朝刊記事)
 ヤマハ発動機は28日、子会社の社員30〜40人を日産自動車の工場に出向させることを明らかにした。出向先はエコカー減税効果で稼働率が上がっている日産追浜工場(神奈川県横須賀市)などとみられる。派遣期間は10月から6カ月。二輪車や船外機の生産が落ち込み国内工場の稼働率が下がるなか、余剰人員の受け入れ先を確保して雇用を維持する狙い。
 ヤマハ発は欧米市場の低迷で二輪車の在庫が膨らみ、生産縮小に伴い国内外で1000人以上の余剰人員対策を迫られている。
 ヤマハ発は7月からトヨタ自動車とパナソニックの共同出資によるハイブリッド車用電池メーカー、パナソニックEVエナジー(静岡県湖西市)に社員230人を順次、出向させている。雇用を維持するため、今後も系列外の出向先を確保する考えだ。
 日産はエコカー減税などで販売が上向き、生産要員が不足気味だが需要の先行きには不安が残るため、本格的な増員には踏み切らずヤマハ発からの応援などで対応する。
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[編注]
ヤマハ発動機と日産自動車は資本関係、グループ関係にはなかったと思うが、、
法的点検を要するニュース記事かも知れない。


2009/08/10 2007年及び2008年に特徴的な派遣業界の動き

2007年及び2008年に特徴的な派遣業界の動き
(社)日本人材派遣協会 編著
「人材派遣データブック2009〜「派遣の現在」がわかる本」がインターネットで閲覧できる。
http://www.jassa.jp/corporation/datebook/datebook.html

【目次】
  ◆Section1.派遣先の「コンプライアンス」
  ◆Section2.労働者派遣制度の役割と実態
  ◆Section3.労働者派遣事業の「現在」
  ◇Chapter1.2007〜2008年 労働者派遣業界 派遣労働市場のマクロ的な分析
  ◇Chapter2.派遣労働市場の地域別動向
  ◇Chapter3.社団法人日本人材派遣協会会員 労働者派遣事業報告書
  アンケート調査結果 会員動向から見る派遣労働市場の比較分析


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