2008/05/20 日雇い派遣〜危険業務は禁止の方針明記へ(厚労省研究会)
- 2008.5.17日本経済新聞朝刊記事は、次のように報じている
労働者派遣制度の見直しを検討している厚生労働省の有識者研究会(座長・鎌田耕一東洋大教授)は16日、危険を伴う業務について日雇い派遣を禁止することで一致した。倉庫内での荷降ろしなど一部職種で事故が相次いでいることを問題視。一日単位の雇用では派遣スタッフに十分な安全教育をすることが難しいと判断した。
具体的な危険業務の種類は厚労省が今後詰める。ただ研究会は一日単位で働きたい人の雇用の場を奪うといった問題があるため、全面禁止は望ましくないとの意見で一致した。
(日雇い派遣は通訳や旅行の添乗員のような専門職のほか、倉庫内の作業、引っ越しまで幅広い業種に広がっている。)
2008/03/20 キャノン、工場の派遣社員ゼロに〜派遣が縮小見直しの対象に!
- 日本経済新聞2008.3.16朝刊の記事から
「キャノン、工場の派遣社員ゼロに」の見出し記事。
具体的には、
『キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。
昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。
現在、グループ全体の生産部門の人員は4万2000人で、派遣・請負が6割、直接雇用が4割。今後は請負が4割、直接雇用を6割にする方針。』
というもの。
企業は近い将来の「人手不足を見越して」製造業は、派遣→正規雇用への切り替えに、
パート活用のウエイトが高い外食、卸小売業などは、パート労働者→正規雇用への切り替えの動きが急なようだ。
特に、派遣は、派遣要員の確保不足に加えて、偽装請負の問題もあって、縮小見直しの対象になっている。しかし、大きいのは近い将来の人手不足問題だ。企業を、非正規雇用から⇒正規雇用への囲い込みに走らせている。
2008/03/9 人材派遣料金の決まり方
- 日本経済新聞2008.3.4朝刊が「人材派遣の料金交渉、3月がピーク」と題して、要旨次のように報じている。
<人材派遣料金の決まり方や市場の特徴>
◎派遣料金は人材派遣会社と受け入れる企業の交渉で決まる。三月そして年度下期入りを控えた八月ごろ、交渉が増える。
◎派遣料金は派遣される人ごとに変わる。経験や資格が重視される。事務職や経理職の場合、過去に実務経験がなく初めて派遣に登録した人だと安い水準になる。職種も料金を決める要因。
◎地域も料金にかかわる。企業が多く集まる首都圏は求人が多く、他地域より高くなりがち。同じ首都圏でも東京の丸の内や銀座近辺は派遣労働者の間で人気が高く、優秀な人材が多く集まる結果、料金が割高になる傾向がある。
◎人材会社が企業に請求する額のうち、実際に派遣労働者に賃金として支払うのは七〇%程度が一般的。社会保険料や募集経費などを差し引いた人材会社の利益は三〜四%が中心。
2008/02/29 働きやすさと「時給」
- 2月26日日本経済新聞、朝刊が、既婚女性の人材派遣を手掛けるビー・スタイル(東京)の一風変わった派遣料金体系の紹介を行っている。
記事によると、
基本は「働きやすくする代わりに時給を少なくする料金体系」だという。企業は「駅から徒歩5分」「社員食堂が使える」などの条件や環境を整えると、相応分を時給から減額できる。育児などで時給以上に労働環境を重視する傾向がある主婦の需要に応じたものだという。
新料金は「駅から徒歩5分」「社員食堂が使える」で20円、「年末に扶養枠調整ができる」「育児休み可能」で70円など、それぞれ基本給から減額できる。
なるほどの新料金体系だ!
2008/02/29 首都圏 請負・派遣適正化キャンペーンの結果
- 首都圏各労働局(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川)は、平成19年10,11月の2か月間、「首都圏 請負・派遣適正化キャンペーン」を実施した。
キャンペーン標語は、「なくそう偽装請負 なおそう違法派遣」
キャンペーン期間中の指導監督等の実施状況は以下のとおり。
1. 指導監督実施状況(別紙1)
(1) 請負事業関係
期間中、請負受託者182事業所及び請負発注者68事業所に対して個別指導監督を実施し、偽装請負等の違反が確認された60事業所に対し是正指導。
(2) 派遣事業関係
期間中、派遣元291事業所及び派遣先87事業所に対して個別指導監督を実施し、労働者派遣法等の違反が確認された175事業所に対し是正指導。
2. その他期間中、各労働局あわせて15回のセミナーを開催、3576社、5336人の参加があった。
(以上、東京労働局発表)
2008/02/29 違法派遣一掃プラン
- 2月28日、「労働者派遣法施行規則改正」、「日雇派遣指針」が公布された。
これに併せて、厚生労働省は緊急-「違法派遣」一掃プランを実施すると発表した。
◆緊急違法派遣一掃プランの概要は以下のとおり。
1. 派遣元事業主からの事業報告書によって日雇派遣を行っている事業所等を把握する。
2. (制度の)周知啓発を徹底する
3. 指導監督の強化
(1) 日雇派遣に対する重点的な指導監督
(2) 違反を繰り返す派遣元事業主に対する重点的な指導監督
等
4. 相談体制の充実
2008/02/15 事故死における「請負」と「派遣」と損害賠償責任
- 製缶工場で転落死したのは安全対策の不備が原因として、遺族が製缶会社と請負会社に1億9000万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は13日、「製缶会社に実質的な使用従属関係があった」と認め、2社に約5100万円の賠償を命じた。
との趣旨の記事が2008.2.14日本経済新聞に掲載されている。
同記事は、「派遣社員に対しては派遣先企業も安全管理義務を負うが、請負契約で業務委託した場合、派遣先企業が安全管理責任を負わないケースもある。実態は派遣労働なのに「偽装請負」することが社会問題化しており、就業実態を重視した今回の判決は影響を与えそうだ。」と説明している????
(コメント)
これは、安全配慮義務に関する判例(最高裁)の動向を知らない記事のようだ。
安全配慮義務は、請負であると否とを問わず、
『ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、・・その付随義務として一般的に認められるべきである』(S50.2.25最高裁判決)。
つまり、安全配慮義務は、偽装請負だから初めて認められるというものではない。
2008/02/01 禁止業務の「港湾、船内」荷役に手当上乗せ支給?
- 厚生労働省から刑事告発された東和リースは、2004年10月以降、グッドウィルから派遣された労働者延べ1240人を港湾や船内での荷役など禁止業務に二重派遣していたが、日経新聞2008.2.1朝刊は、その後の警視庁保安課などの調べとして、「これらの(二重派遣の)労働者に対し、港湾や船内荷役には約500円を日当に上乗せして支給しており、グッドウィルが違法性を認識しながら派遣を続けていたとてみている。」と報じている。
2008/01/25 連合、「日雇い派遣」は禁止
- 「連合(高木剛会長)は 24日に開いた中央執行委員会で、「派遣労働法見直しに関する連合の考え方」の補強を確認し、昨年9月に決定した常用型を基本とし登録型は禁止するとの基本方針を踏まえ、「日雇い派遣」(日々雇用の派遣労働者)は「当然に禁止すべきである。日々雇いは、直接雇用で行うべきである」との方針を決めた。」
(労働政策研究・研究機構1月25日ニュース)
2008/01/23 日雇派遣の規制強化関連資料〜「日雇労働指針の新設」等改正(案)
- 日雇い派遣の規制強化に関連する指針の新設等の改正案が厚生労働省のホームページにアップされていますので参照してください。
1 労働者派遣法施行規則の改正案要綱
http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0116-6c.pdf
2 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の改正告示案
http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0116-6b.pdf
3 日雇派遣労働者に関し、派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(案)
http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0116-6a.pdf
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