労働条件・労働基準めぐる法改正情報


2009/06/26 6月24日国会で成立の育児・介護休業法-改正点は大きく5点

(再掲)
育児・介護休業法の主な改正点は次の5点です。
改めてご確認ください。

1 3歳までの子育て期間に「短時間勤務制度(1日6時間)」の設定義務
 併せて、労働者からの請求があったときには所定外労働の免除する制度を運用することが必要です。
2 子の看護休暇制度を「小学校就学前の子が1人であれば年5日(現行どおり)、2人以上であれば年10日」へと拡充。
3 父親の子育て参加として、
(1)父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳)までの間に、1年間育児休業を取得可能とする。
(2)父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする。
(3)配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する。
4 介護休暇制度の新設
 介護のための休暇制度を「要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日」として新たに創設
5 実効性の確保等
 勧告に従わない場合の公表制度等を創設する。
 施行は1年以内の政令で定める日(一部は、常時100人以下の労働者を雇用する事業主について3年)ただし、勧告に従わない企業名の公表は3箇月以内。


2009/06/26 新設の在留資格「技能実習」とは?入管法改正案が2009.6.19に衆院通過

 入管法改正案が2009.6.19に衆院通過しました。
 新たな在留管理制度の中心となる「在留カード」は、在留3カ月を超える外国人滞在者に交付し、入管が外国人情報を一元管理することとされています。
 
 労働関係では、研修・技能実習生に対して「技能実習」の在留資格を新設し、入国3カ月目から労働関係法令を適用するのが大きな改正点です。
 ■新設在留資格「技能実習」とは?
 現行の「研修」在留資格は、1年目は労働関係法令が適用されず、その後2年間は「特定活動」に資格変更した上で技能実習生として滞在を認めています。
 改正案はこの現行制度は維持した上で、新たに在留資格「技能実習」を新設し、最初の2か月講習後の3か月目から、雇用契約に基づく技能修得活動に、労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令を適用するものです。


2009/06/24 改正育児・介護休業法が24日成立

 (再掲)
 改正育児・介護休業法が24日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。
 (提出時法案並びに修正(可決)は下記URLで参照できます)
  http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g17105064.htm


2009/06/17 育児・介護休業法改正案-2009.6.16衆院本会議で可決

 (再掲)
 2009.6.16、育児・介護休業法改正案が衆院本会議で可決された。
 改正案は、「3歳未満の子どもがいる従業員を対象にした短時間勤務制度の整備や、申請による残業免除を企業に義務付けるほか、看護休暇の拡充・介護休暇の新設、男性の育休取得の促進策」などを盛り込んでいる。

 野党から出されていた「育休切り」の防止策の強化については、国会付帯決議に「事業主は育休期間を明示した書面を本人に交付するよう厚労省令に明記すること」などを盛り込むことで決着した。
 その他改正案については、育休切りなど法律違反をし、厚労相の勧告にも従わない場合に企業名を公表する制度の施行日を、「改正法の公布日から1年以内」から「3カ月以内」に前倒しすることになった。


2009/06/06 労働基準法改正-施行通達(基発第0529001号)が発出されています

 昨年12月、国会で可決され、2010.4.1からの施行が予定されている「改正・労働基準法」ですが、いよいよ実務面での細部取扱いを示した厚生労働省労働基準局長名の施行通達が2009.5.29付け基発第0529001号として、出されています。

 厚生労働省サイトでは、以下のURLからダウンロード可能です。
 ⇒http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/dl/tp1216-1j.pdf


2009/05/29 改正労働基準法(H22.4施行)施行規則

 改正労働基準法(H22.4施行)施行規則等の一部改正省令が2009.5.29付け「官報」に公布されました。
下記URL参照願います。
 ⇒http://kanpou.npb.go.jp/20090529/20090529g00111/20090529g001110002f.html

 あわせて、関連改正のあった「告示」労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準の一部改正も官報掲載されています。
 (特別条項関連部分)
 ⇒http://kanpou.npb.go.jp/20090529/20090529g00111/20090529g001110006f.html



2009/05/22 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部改正

 2009.5.20「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律」が公布された。
 詳細は、http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0520-1.html
(1) 既存化学物質も含めた包括的管理制度の導入
 既存化学物質を含むすべての化学物質について、一定数量(1トンを予定)以上の製造・輸入を行った事業者に対して、毎年度その数量等を届け出る義務を課す。
(2) 流通過程における適切な化学物質管理の実施
 特定化学物質及び当該物質が使用された製品による環境汚染を防止するため、取扱事業者に対して、一定の取扱基準の遵守を求めるとともに、取引に際して必要な表示を行う義務を課す。
(3) 国際的動向を踏まえた審査・規制体系の合理化
 ストックホルム条約の規制対象となる物質について、条約で許容される例外的使用を厳格な管理の下で認めるため第一種特定化学物質に係る規制の見直しを行う等、規制の国際整合化を行う。


 なお、施行日は、H22.4.1ただし、上記(1)関連は(すべての化学物質に係る製造・輸入数量等の届出、優先評価化学物質の指定、第二種・第三種監視化学物質の廃止等)については、H23.4.1を予定


2009/05/01 民法-契約関係の改正試案

 民法改正情報について、2009.4.28産経新聞につぎの記事。(参考掲載)先の日経新聞記事と会わせて読むと輪郭がより鮮明になります。

 『法務省が着手する民法・債権(契約関係)分野の大改正が注目されている。
 1世紀以上にわたって手つかずで、契約ルールなどの現代化により実社会の要請に応えにくくなっていたものを再編成。条文や項目数は大幅に増える可能性もあるが、目指すのは「市民のための民法」。早ければ今秋にも法制審議会に諮問され、本格的な作業が始まる。
 改正をめぐっては、学者や法務省担当者も参加する「民法(債権法)改正検討委員会」が改正の参考にもなる試案をまとめ、29日、シンポジウムで公表した。

 改正の対象は、第一編「総則」と第三編「債権」のうち、契約に関する約400条。民法については近年、変化する社会や経済に対応させ、「読んで分かる法律に近づけたい」として見直しが検討されていた。
 試案では、現行法で条文に盛り込まれていない「契約の自由」などの基本原則や、条文にないが判例で一般に通用しているルールを明記する。例えば、見込みのない契約交渉を継続する不誠実な対応で相手に損害を与えた際は賠償義務を負う−などを盛り込む。

 また、民法関係の特別法である消費者契約法が定めている「不当な勧誘・契約条項」の不実告知、不利益事実の不告知は、民法の「契約の無効・取り消し」事由にも取り込むなどし、「民法を読めば同種のルールが一覧できる」ようにする。
 試案を検討すると、最終的には600条前後のボリュームになる可能性がある。試案も参考に改正に着手する法務省では「市民社会の基本法」という趣旨を重視し、国民に分かりやすくなるよう臨む方針だ。』


2009/04/25 民法、抜本改正へ

[編注:すべての法律の基礎ともなる]
民法、抜本改正へ
2009.4.19
日本経済新聞朝刊の記事は、他紙に出ていないようだ。
【全文は次のもの】

法務省、11年にも法案
消費者の保護重視
契約違反、過失なくても賠償
(以上のサブ見出し)
本文は
 『法務省は民法が定める契約ルールを抜本改正する方針を固めた。
 主な内容は(1)企業や消費者が結ぶ「契約」に関する基本原則を明文化(2)契約違反などが起きた場合の賠償責任の考え方を最近の実態に合わせて改める―など。
 トラブル防止や紛争解決の迅速化、消費者保護につなげる狙いだ。
 法制審議会(法相の諮問機関)の議論を経て、早ければ2011年の通常国会への法案提出を目指す。契約ルールの全面改正は1896年(明治29年)の民法制定以来、初めて。

 焦点となる賠償責任は「過失の有無」を重視してきたこれまでの考え方を「契約を守れなければ一定の責任が生じる」という原則に改める。
 例えば売り手が期日までに商品を引き渡さないトラブルの場合、現行法では「仕入れ先の納品遅れ」など売り手に過失がなければ賠償責任もない。改正法では、売り手に一定の賠償責任を負わせる。
 企業のM&A(合併・買収)で一方的に交渉を打ち切って別の企業と交渉を始めても、契約前なら賠償責任はない。
 改正後は契約成立前でも交渉に一定の拘束力を認め、不当破棄にも賠償責任を負わせる方向だ。
 契約の基本ルールには当事者が自由に内容を決定できる「契約自由の原則」や口約束でも契約が成立する原則などがある。
 改正法で明文化して、誰でも契約の基本原則を理解できるようにする。
 契約に関する規定は商法や消費者契約法にも条文がある。これらも改正民法に盛り込み、契約ルールを一体的に網羅した法律にする。消費者契約法にある「事業者の勧誘が不適切だった場合、消費者が契約を取り消せる」といった規定を民法にも明記することで、消費者の権利をより守りやすくなる。』


2009/04/01 労働者派遣の中途解約-休業手当相当額の損害賠償を規定へ

(再掲)
 2009.3.26労働政策審議会[部会]は、労働者派遣に関する指針改定案を了承しました。
 改定ポイントは、「派遣契約の中途解約」
1) 中途解約した派遣先に対して、残存契約期間の休業手当相当額を損害賠償するよう明記する(派遣先が新たな就業先を確保する場合を除く。)
2) 派遣業者に対しては、派遣先から契約を中途解除された場合でも、安易に解雇せず休業手当を労働者に支払うことなどを明記する。
改定指針の施行日は、2009.3.31


前ページ 次ページ

- Topics Board -