賃金・人事労務、福利厚生制度のいま

そして、ワーク・ライフ・バランス
オープニング画面


2007/10/21 企業年金の減額〜NTTグループ67社が敗訴

 NTTグループ67社が厚生労働省を訴えた事件(行政処分取消訴訟)で、2007.10.19敗訴(東京地裁判決)した。
 この裁判は、OBに対する企業年金減額の妥当性が争われたもの。
 企業年金の減額には厚生労働省の承認が必要だが、同省は、安易な減額を認めると受給者の老後の生活設計が成り立たなるとしてこれを拒否していた。
 裁判では、NTTの経営状況が年金減額を行うにあたって「真にやむを得ない」状態なのかが争点となったが、認められなかったわけだ。東京地裁は、判決の中で、企業年金を減額できるのは「経営悪化により、企業年金を廃止するのを避けるためやむを得ない場合」とした。
 NTTは、利益が出ている上、資産も多く、一般的に財務基盤に問題がある企業グループではないだけに、一部の専門家には、そもそもこの訴訟は無理筋との評もあった。


2007/10/20 定年制を定めた企業で「再雇用制度」66.7%の導入がすすむ

厚生労働省「平成19年就労条件総合調査結果」(2007.1.1現在30人以上5300企業を対象にした調査)によると、一律定年制を定めている企業において、1)勤務延長制度、2)再雇用制度、3)その両方がある企業割合が全体で90.2%と、前年の(76.3%)から大幅に増加した。
■制度別内訳は以下のとおり。
1)「勤務延長制度のみ」が12.6%(同13.6%)
2)「再雇用制度のみ」が66.7%(同53.1%)
3)「両制度併用」が10.9%(同9.6%)
と、それぞれ大幅に増加した。
詳細は以下のURLを参照してください。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/07/index.html


2007/10/13 過去最低を記録した「年休取得率」

 昨日(2007.10.12)厚生労働省が発表した「平成19年就労条件総合調査結果の概況」(調査対象数5,343/有効回答数4,178/有効回答率 78.2%)において、最新の「年次有給休暇の取得状況」が明らかとなったが、その概要は以下のとおり。
 ■平成18年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均17.7日(前年17.9 日)となっている。そのうち労働者が取得した日数は8.3日(同8.4日)で、取得率は46.6%(同47.1%)となり、前年に比べ0.5ポイント低下している。
 ■産業別にみると、最も取得日数が多く、取得率も高いのは、「電気・ガス・熱供給・水道業で15.3日、77.5%」。一方、取得日数が少なく、取得率が低い業種は、「飲食店,宿泊業で4.2日、26.9%、卸小売業6.1日、34.6、建設業6.4日、34.9」となっている。(グラフ参照)

コメント!
 このままでは、まずかろう。
 年休制度も、労働者の取得権制度から、企業の付与義務制度へ転換を図るべきか!


2007/10/05 大手企業の最新労働時間管理

 「労働時間」が正面からマネジメントの対象になりつつある予感!

 『キヤノンは社員の労働時間削減に向けた取り組みを強化する。
 休日出勤や深夜(午後10時以降)に退社した社員とその上司に、人事部が注意喚起する取り組みを始めた。健康に留意しながら効率良く仕事を進められるように意識改革を促す。
 人事部は会社の入退室管理システムから、休日に出勤したり深夜(午後10時以降)に退社したりした社員のデータを入手。社員とその上司にメールで注意喚起する。いわば「イエローカード」を出すような形にして、労働時間削減と生産性向上の両立を促す。
 キヤノンはすでに社員の労働時間削減に向け、残業をする部下から上司が申請を受けて必要かどうか判断。認めた場合でも15分単位で勤務状況を報告させる制度を導入している。』(2007.9.25日本経済新聞朝刊)


2007/07/13 企業型確定拠出年金と個人拠出問題

 厚生労働省の企業年金研究会は7月10日m「企業年金制度の施行状況の検証結果」を公表。 
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/07/tp0713-1.html
 企業型確定拠出年金における個人拠出問題で次の提言。
 @ 個人拠出
 厚生年金基金、確定給付企業年金等他の企業年金制度では、個人拠出を認めており、また、若い世代を中心に拠出限度額に対し事業主拠出は低い水準となっており、老後の所得確保等の観点から、個人拠出を認める考え方に立って、具体的なあり方について検討すべき

 ≪企業の拠出限度額を引き上げる選択肢はもあった?、、≫


2007/07/07 職場旅行、飲み会

 都心のサラリーマンは新橋界隈で毎晩のように飲んでいる印象もあるが、「週1−2回以上飲む」サラリーマンの割合は男性でも7.3%。
 職場旅行があっても付き合う人は17%。
 職場旅行と飲み会は職場の日本的付き合いの象徴イメージだが、これが、大きく変容しているようだ。
 (グラフ参照)

 これらを含めて、今年の「国民生活白書」が面白い。
 URLは http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/10_pdf/01_honpen/index.html


2007/06/27 日本版401kの企業型-本人拠出を認める方向での報告書(骨子)

 6月27日日経新聞朝刊は、厚生労働省の企業年金研究会が2007.7.10取りまとめ公表予定の報告書の中で、日本版401kの企業型(掛け金は最大で月額4万6000円までで企業しか拠出できない)について、一定の要件付きで会社員本人の拠出を認めるべきとの提言を行う、と報じている。

 ≪ 従業員拠出を給与天引きで認めると、日本版401k用従業員拠出預り金への保全措置などが議論になって行くだろう。--給与天引き後に給与の性格を失った預かり金は、法的保護がうすい現実がある ≫


2007/06/04 日生営業職員の給与制度見直しへ

 2007.5.29日本経済新聞朝刊の記事によると、
 日本生命保険は2007年度から、営業職員の給与制度を一部見直したという。
▼これまでは契約の獲得を給与に反映させてきた
▼これを保険金の請求案内など契約者へのサービスを重視する仕組み(契約内容の変更手続きや苦情対応など、契約維持のためのサービスができていれば一定の給与を保証する制度)に改めた
▼給与制度の変更は入社二年以内の職員が主な対象。三年目以降も獲得した契約がどの程度継続しているかを評価する。


2007/03/29 育児休業支援に動く〜大手企業

 大手企業が4月から育児で休みをとる社員への支援を強化している。
 図は2007.3.29日経新聞朝刊記事にまとめられた大手企業の取組状況。

 「企業がこうした支援策を打ち出すのは労働力人口の減少予想の中で、人材を確保しやすくする狙い。優秀な人材を獲得・定着させるには育児支援制度の充実が欠かせなくなっている」、という。
 コメント=大分雰囲気が変わってきている、そのような実感を持つこの頃です(lsk)。


2007/03/29 出産祝い金-第5子以降500万円

 ソフトバンクが4月から、「勤続1年以上の正社員に対して、第1子誕生時に5万円、第2子は10万円、第3子は100万円、第4子は300万円、第5子以降は500万円を支給する」育児支援制度の拡充を図る。2005年度を例に計算すると、出産祝い金の負担額は年一億円以上になる。現在、5人の子供がいる社員は5人いる、という。
 また、小学校卒業までに運動会などで年間五日間までの休暇を取得できる「キッズ休暇」も新設する。(以上3月28日日経新聞朝刊記事を元に)


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