安全衛生管理と災害事例

オープニング画面


2010/01/10 日本カーリットでまた爆発事故

 2010.1.7、化学品メーカーの日本カーリットの横浜工場(神奈川県横浜市金沢区)で爆発事故。
 事故が起きた有機製造棟。同有機製造棟には高圧釜が4台(直径1〜2メートル)あり,加圧環境下で有機物と水素ガスを化学反応させて,有機物に水素ガスで圧力をかけて化学反応を起こし、液晶テレビなどに使われる有機合成物を製造している。
 爆発時は操業を終えていたというが、水素ガスが何らかの原因で引火、爆発した可能性があるという。
 今回の事故で敷地内の8棟が全焼し12人が負傷した。
 なお、爆発で釜はほぼ破壊されていた。
 同工場では、2年前に2人が死傷する爆発事故を発生させている。


2010/01/10 大分川ダム工事CO事故

 トンネル内排気管の長さが不足していたのが原因か

 大分市下原の大分川ダムの工事現場で起きた一酸化炭素(CO)中毒とみられる事故で、大分労働基準監督署などは6日、労働安全衛生法に基づく災害調査を行った。
 事故はトンネル内部で使用した発電機からの排気が原因と見られる。事故当時、4人の作業員はトンネル水路(長さ250メートル、高さ2メートル、幅1・5メートル)の入り口から約100メートルの地点で、土砂のかき出しや溶接作業を行っていた。
 送風機で換気していたが、排気管の吸引口が4人がいた地点の約30メートル手前までしか届いていなかったため、4人の近くにあった発電機からの排気が滞留してCO濃度が上昇したとみられる。
(毎日新聞) 
 (コメント) 労働安全衛生法に違反している可能性がある


2010/12/28 工場爆発で4人が死亡-三フッ化ホウ素タンク

 2009.12.24午前8時50分ごろ、大阪市淀川区、森田化学工業神崎川事業所で爆発事故が発生し4人が死亡。
 事故時作業は5人で進められていた。
 24日午前8時半から、タンクにたまった汚泥を取り除く作業をし、4人はタンク上に。下にいたもう1人がグラインダーで下部に15〜20センチの穴を開けていたところ、爆発が起きた。
 タンクの数メートル上の屋根に十数メートルの穴が開き、1人はここから屋外に吹き飛ばされた。

○ 大阪府警淀川署捜査本部は25日、同社本社(同市中央区)と爆発事故が起きた神崎川事業所を業務上過失致死容疑で家宅捜索し、合わせて同事業所の現場検証をした。
○ 淀川労働基準監督署も前日に続き、労働安全衛生法に基づいて同事業所に立ち入り調査をした。

 事故のあったタンクは、三フッ化ホウ素ガスを造る直径約3.2メートル高さが約4〜8メートルで、上下に伸縮する可動構造。
 タンクは複数の化学物質を混ぜて生成した三フッ化ホウ素ガスを一時的に貯留しているが、同社は定期点検のため、先週末にガスを抜いていたという。(定期点検は半年ごとに実施。)スラッジと呼ばれるホウ酸が固まってできた泥のようなものを水で取り除く作業が、16日から行われていた。
 定期点検が始まった16日から21日の間に配管などを洗浄した際、水をタンク内に大量に注入する誤作業があったというが、水は三フッ化ホウ素と触れると化学反応で水素ガスを発生させる可能性がある。
 爆発は電動ノコギリで穴を開けた際に発生。
 作業中の火花がタンク内の水素ガスに引火した可能性がある。

(以上、各新聞報道をもとに、構成したものです。)


2009/12/07 労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生規則の一部改正(平成22年1月-3月施行)

(再掲)

労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生規則の一部改正(平成22年1月-3月施行)
改正内容
1 有害物ばく露作業報告書の様式改正について
 新らしく策定される「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン」を踏まえ、様式改正が行われるものです。
 様式改正(労働安全衛生規則第95条の6)の施行日は、平成22.1.1です、

2 石綿含有製品の代替化が可能になったことに伴う製造等の禁止
 (猶予されていた次の2品が追加禁止されるものです)
(1) 国内化学工業の配管の接合部の密封等に用いられる石綿を含有するガスケット(平成22.2.1改正施行)
(2) ミサイル用石綿含有断熱材(平成22.3.1改正施行)


2009/11/24 胸部エックス線検査に関し、安全衛生規則改正へ

 厚生労働省は平21.11.13、胸部エックス線検査対象者のあり方懇談会(省内設置)報告を受けて、労働安全衛生規則の改正作業に着手します。
 懇談会報告は、定期健康診断における胸部エックス線検査を実施すべき者を以下に限定する考えを示しており、規則改正はこれを織り込んだものとなる予定です。
(対象者)
○40歳以上の労働者
○40歳未満の労働者で以下に該当する者
(1) 5歳毎の節目年齢(20歳、25歳、30歳及び35歳)の者
(2) 感染症法で結核に係る定期の健康診断の対象とされている学校、医療機関、社会福祉施設等の労働者
(3) じん肺法で3年に1回のじん肺健康診断の対象とされている者
(4) 呼吸器疾患等に係る自他覚症状又はそれらの既往歴があると医師が判断した者


2009/10/20 トレーラー横転後絶たず−12年で152件、13人死亡

 トレーラーの横転事故が多発しているが、根本原因のわからない事故も多いという。
○ ゆるやかなカーブを制限速度内で走行しているのに横転(原因不明)
○ 運転手がコンテナ内の荷の状況を認識できない、中身のわからない荷物を運送していることが多いのも横転事故に対応できない原因になっている、とも指摘されている。

(最近のトレーラー横転事故の発生状況)

「全日本港湾労働組合(東京)の調査によると、大型トレーラーの横転事故は今年8月までの約12年間で152件発生し、運転手や巻き添えになった人計13人が死亡した。
 今年に入ってからも横転やコンテナの落下事故は目立つ。2月、首都高速の東京都板橋区付近でトレーラーが横転し運転手が死亡。5月に大阪市の阪神高速でコンテナが対向車線に落下する事故があり6人負傷。同月、横浜市で起きた事故では運転手が亡くなった。8月にも熊本市でコンテナが落下、車7台が巻き込まれ5人がけがをした。
 国土交通省によると、最近3年間でトレーラーの横転などの事故の発生割合は一般のトラック全体の約3倍に達するという。」(2009.10.19日本経済新聞朝刊記事から)


2009/10/10 滋賀県のダイハツ工業竜王工場から出火、1人死亡2人重軽傷

 2009.10.10pm2:40頃、滋賀県のダイハツ工業竜王工場第3鋳造工場から出火。
 出火当時、ダクトのメンテナンス作業をしていた協力会社社員(22)が死亡したほか、男性作業員ら2人が重軽傷を負った。(この時、ダイハツ社員も、ダクト下部のアルミ溶解炉のメンテナンスに当たっていたという。)

 ダクトにたまっていたアルミの粉じんが溶解炉に落ち、出火した可能性が疑われている。


2009/10/01 今日から全国労働衛生週間

 週間スローガン「トップが決意 みんながつくる 心の健康・明るい職場」
 本日10月1日から第60回全国労働衛生週間が始まる。
 平成21年度全国労働衛生週間実施要綱 http://labor.tank.jp/anei/21an&ei_youkou.html


その中で、当面の重点事項が次のように触れられている。

『 定期健康診断における有所見率の増加傾向に歯止めをかけ、減少に転じさせること等
を目標に、
危険性又は有害性等の調査等の促進、
健康診断の結果に基づく措置の実施の促進、
メンタルヘルス対策の推進、
快適職場づくり対策の推進、
粉じん障害の防止、
化学物質による健康障害の防止等
を重点対策とする。

特に、メンタルヘルス対策については、仕事の質・量、職場の人間関係等の変化、労働者の孤立等により心の健康問題を抱える労働者の増加が危惧されていること等を背景に、より一層の対策の推進が必要であるが、このためには、企業や事業場のトップの強い決意とリーダーシップのもと、労働者、管理監督者、産業保健スタッフ等がそれぞれの役割と責任を認識し、組織的かつ積極的に取り組み、労働者の心の健康が確保された明るい職場をみんなで実現していくことが重要である。』


2009/09/10 シンドラーエレベータ製のエレベーター事故調査報告書

 2006年、東京都港区のマンションで、都立高2年Iさん(16)が死亡したシンドラーエレベータ製のエレベーター事故について、国土交通省の昇降機等事故対策委員会は2009.9.8、調査報告書をまとめた。
 「 事故機はコンピューター制御でカーボン製摩擦材をブレーキドラムに押し付けたり離したりしてエレベーターを動かす仕組み。ところがブレーキ内のコイルがショート。摩擦材の一部がうまく離れず、ドラムと接触し続けたため摩耗してブレーキが利かない状態となり、Iさんが12階で降りようとした際にエレベーターが急に上昇、挟まれて死亡した。」(毎日新聞)

 調査報告書は下記URLで閲覧できる。
 ⇒ http://www.mlit.go.jp/common/000048837.pdf#search='シンドラー製エレベータ 昇降機等事故対策委員会 調査報告書'


2009/09/10 イギリス建設業の労働災害

 HSEが公表した報告書によれば、建設業における事故死亡者数は1983年の140件から07年度には72件に、また08年度には53件へと記録的に減少している。ただしHSEは08年度の減少について、不況による建設業の低迷の影響も考えられるとしている。
(参考)→http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2009_9/england_01.htm#01


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