2009/09/04 勤務医が健康支援のため「必要と思う」こと
- 日本医師会が「勤務医」対象の大規模なアンケート調査を実施している。
報告書は129ページにわたる詳細なものだが、(下記URL参照)
⇒ http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20090902_32.pdf
この中で、
勤務医の半数以上が、勤務医の健康支援のため「必要と思う」と答えた項目が興味を引いた。
下図を参照。
2009/09/04 1年間のヒヤリ・ハットの経験 「あった」が54.8%
- 介護労働安定センターが実施した「平成20年度 介護労働実態調査結果」
http://www.kaigo-center.or.jp/report/h20_chousa_01.html
によると、
1年間(平19.11.1〜平20.10.31)業務上の事故、ケガの経験があったのは、26.4%。
同期間に、ヒヤチ。ハットの経験があったとする者が、54.8%だったとする、結果を公表している。
[編注]
なるほど。
1年間を対象期間に「ヒヤリ・ハット経験があったかなかったか」だけを聞いて見ても、それだけのことでしかない(感想)気がした。
2009/09/03 過労死等発生事業場に対する「臨検監督」から見えた問題点
- (再掲)
東京労働局は、平成20年度に実施した過重労働による健康障害を発生させた事業場に対して都内18の労働基準監督署が行った監督指導結果を公表した。
結果、事業場の多くに労働時間管理、健康管理の不備等が認められたが、次の指摘は、事業場の過労死等問題に対するリスク管理の甘さを再確認させるものでもある。
(監督指導の結果)
○ 監督指導を実施した57事業場のうち23%の13事業場では、過重労働による健康被害を受けた労働者(以下「被災労働者」という。)に対し、発症前の1年間に健康診断(採用後1年未満の者は雇入時の健康診断を含む。)を受診させていなかった。
○ 同じく61%の17事業場では、発症前の健康診断で何らかの所見が認められた被災労働者に対し、健康診断の事後措置を講じていなかった。
東京労働局の記者発表URL
⇒ http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2009/20090828-kajyuu/20090828-kajyuu.html
2009/08/21 振動障害予防対策で、指針改正(2009.7.10改正施行)
- (再掲)
厚生労働省は2009.7.10付け基発第0710の1号、同2号によって、振動障害予防対策指針を改正し、都道府県労働局長宛に通達。
○1日の作業時間を、工具の振動加速度値に応じて分単位で計算する方法を示した。
○チェーンソーや振動工具を使った業務が対象(振動が強い工具の場合には、1日1時間未満などに抑制されるケースも出る)。
[新通達]
チェーンソー取扱作業指針について(平21.7.10基発第0710の1号)
チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針について(平21.7.10基発第0710の2号)
参照先
⇒ http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/090820-2.html
2009/07/17 熱中症予防対策で「新通達」
- 厚生労働省から、これまでの対策を整理して、新・熱中症対策を打ち出した通達(H21.6.19基発第0619001号)が出された。
[新「職場における熱中症予防対策」のポイント]
1 WBGT値(湿球黒球温度℃)を求めることにより、職場の暑熱の状況を把握し、必要な対策につなぐ。
2 作業者に熱への順化期間(熱に慣れ、その環境に適応する期間)の設定する
3 自覚症状の有無にかかわらない『水分・塩分の摂取』
4 熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患(糖尿病等)を踏まえた健康管理に留意する。
2009/07/17 シンドラーエレベーター社のエレベータ事故
- 東京都港区で2006年、高校生が自宅マンションのエレベーターを降りようとしたところ、扉が開いたまま突然かごが上昇、エレベーターの床と乗降口の天井部分に挟まれて死亡した事故に関して、東京地検は7月16日、製造元のシンドラーエレベーターの元部長ら2人と、事故当時に保守点検を請け負っていたエス・イー・シーエレベーターの社長ら3人の計5人を業務上過失致死罪で起訴した。
起訴状によると、シンドラーエレベーターの2人は、2004年に事故機で故障が発生した際、ブレーキパッドの摩耗を発見したのに応急措置だけで原因を調査せずに放置。2005年3月末で同機の保守点検業務を他社に引き継いだ際、マンション管理者の港区住宅公社に事故発生の危険性を伝えるのを怠ったとされる。
エス・イー・シーエレベーターの3人は、2006年4月から同社が事故機の保守点検を請け負った際、同機種の保守点検の方法などを十分に調査せず、従業員に理解させないまま保守点検を行わせた過失があったとされる。
2009/07/10 JR福知山線脱線事故「ATSの設置は必要だった」
- 2005.4.25,乗客106人が犠牲になったJR福知山線脱線事故
神戸地検は、7月8日、事故当時のJR西の山崎正夫鉄道本部長(現社長)を起訴した。罪名が刑法の業務上過失致死罪だけに、「個人責任を問う捜査」という宿命の中での結論であった。
捜査は、「事故」の予見可能性や結果回避の可能性が焦点になった。
検察の起訴事実の構成は、多少、結論ありきの印象を受けるが、この事故で、だれも起訴できない結論は用意されていなかったのだろう。
報道によれば、捜査過程で、山崎社長本人も「運転士が制限速度をはるかに上回る速度でカーブに進入するとは思わなかった」と主張したという。裁判でもこの点が争点になる可能性が高い。
[編注]
「運転士が制限速度をはるかに上回る速度でカーブに進入するとは思わなかった」という主張に対する評価は難しい問題を含んではいるが...、
例えば、運転士が心筋梗塞や脳出血のような異常が発症し、制御不能に陥ったような特殊なケースを想定した事故対策は必要ないのだろうか、公共交通機関であれば、それらも想定(予知)し、対策を講じてほしいと思う。
[ところで]
運転士への労務管理[日勤教育等]の在り方は、問われることではないのだろうか。
2009/07/09 高速道路の舗装工事中の自動車突入事故
- [少し前になるが、]2009.6.23午前10時ごろ、福島県いわき市の常磐自動車道いわき勿来インターチェンジ出口付近で、舗装工事現場にトラックが突っ込み、福島県の道路工事会社の男性作業員6人がはねられた。
県警などによると、いずれもいわき市在住で40〜60代の4人が死亡、1人が軽傷を負った。
県警によると、現場は片側2車線のほぼ直線で、茨城県との県境付近。
(トラックは)福島県郡山市に荷物を搬送し、茨城県側に帰る途中だった。
当初、追い越し車線を走っていたが、工事中だった左側の走行車線に進入した。
(2009.6.23日本経済新聞夕刊記事から要約)
[編注]
繰り返される高速道路工事中の突入事故。
まとめた統計データを発表してほしい。その状況によっては、突入事故から作業者を守る「鉄壁のカード」も容認していくべきだろう。
2009/06/22 経済の成長と安全対策
- 中国国営の新華社通信によると、2009.6.21午前3時ごろ、安徽省鳳陽県の鉱石加工工場で大規模な爆発事故があり、作業員ら16人が死亡、43人が重軽傷を負った。
同社は違法に鉱石を採掘しており、事務棟の倉庫に5〜7トンの爆薬を保管。何らかの原因でこれが爆発し、事務棟の南側にあった宿舎が倒壊、寝ていた作業員らが下敷きになった。現場には直径10メートル、深さ5メートルの穴が出来た。会社の代表者が警察に拘束されている。
[編注]
世界一杯に失敗の手本があっても、労働安全や公害対策を封じて経済発展を図るというのは、難しいのだろうな、と思わざるを得ない。
しかし、本当に学んでいるのだろうか?
写真は、2008.8.26中国化学工場爆発のもの(記事と関係なし)
2009/06/17 熱中症予防
- これから夏本番。
夏特有の安全対策課題に「熱中症予防」がある。
昨平成20年、熱中症から医療機関で治療を受けた人が539人(東京)。
炎天下での仕事が多い
建築・土木、設備工事業
清掃業
警備業
は要注意(リーフレットの平成20年熱中症事例参照)
東京労働局では、「熱中症」に注意を喚起するリーフレットを作成しており、ネットでダウンロードも可能だ。
URLは ⇒http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/eisei/pdf/pamphlet_2009.pdf
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