安全衛生管理と災害事例

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2009/01/26 安衛則第46条「結核健康診断」廃止へ

 厚生労働省は1月22日、「労働安全衛生規則46条(結核健康診断)の廃止」方針を決め、平成21年4月1日からの施行を決めた。

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)等に基づく結核の健康診断の内容や、「労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会」(労働基準局長参集)の報告書(平成18年8月)内容を踏まえての廃止方針の決定になる。
 


2009/01/26 石綿障害予防規則改正-原則平成21年4月1日から施行

(再掲)
 厚生労働省は1月22日、「石綿障害予防規則」について、次の6項目の改正を図り、原則平成21年4月1日から施行((6)については平成21年7月1日施行)することを決めた。

(1) 建築物の解体等の作業を行う際に、事前に行うこととされている石綿等の使用の有無の調査の結果等を掲示させるものとすること。

(2) 石綿等が使用されている断熱材、耐火被覆材等の除去の作業であって、石綿等の切断、穿孔、研磨等の作業が伴うものについて、隔離の措置を講ずべきものとすること。

(3) 吹き付けられた石綿等の除去等の作業を行う際は、隔離の措置を講じるとともに、隔離作業場所の排気に集じん・排気装置を使用すること、隔離作業場所を負圧に保つこと及び隔離作業場所の出入口に前室を設置することを義務付けること。

(4) 隔離の措置の解除に当たっては、事前に、隔離作業場所内の石綿等の粉じんを処理するものとすること。

(5) 吹き付けられた石綿等の除去の作業について、電動ファン付き呼吸用保護具又はそれと同等以上の性能を有する呼吸用保護具の使用を義務付けること。

(6) 船舶の解体等の作業に係る措置(平成21年7月1日施行)
船舶(鋼製の船舶に限る。)の解体等の作業について、建築物等の解体等の作業に係る措置の規定の一部について適用するものとすること。


2009/01/20 平成20年の労働災害(中間集計)

平成20年の労働災害(中間集計)

死亡災害
休業災害
とも減少へ
労働災害統計は、1月〜12月の1年間でカウントうするが、最終確定は3か月の待機期間を置いて、3月末となる。
現在、死亡災害は1月7日現在の集計で
1,186件、これは前年の1,248件から、62件(5.%減)減少。
休業4日以上災害は昨年11月17日現在の集計で
83,349、これは前年の84,789件から1,440件(1.7%減)減少。(グラフ参照)


2009/01/15 47都道府県の安全衛生管理体制の整備状況

 総務省が、47都道府県の勤務条件等に関する調査結果を公表(2008.12.25)している。
 そのうち、「安全衛生管理体制」の状況は以下のとおり。

安全衛生管理体制の整備状況に関する事項(平成20年3月31日現在)
○総括安全衛生管理者の選任事業所率・・99.6%(前年度同率)
○安全管理者の選任事業所率・・・・・・98.5%(前年度同率)
○衛生管理者の選任事業所率・・・・・・95.7%(前年度比0.7ポイント増)
○安全衛生推進者等の選任事業所率・・・87.1%(前年度比2.3ポイント増)
○産業医の選任事業所率・・・・・・・・96.3%(前年度比0.3ポイント増)
○安全委員会の設置事業所率・・・・・・99.0%(前年度比0.2ポイント増)
○衛生委員会の設置事業所率・・・・・・92.8%(前年度比1.6ポイント増)

詳細は、以下のURLからご確認ください。
⇒ http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/081225_9.html#bt


2008/12/13 東京・渋谷の温泉施設爆発災害の事故原因

ガス漏れ、危険性認識


 東京・渋谷の女性専用温泉施設「シエスパ」で2008.6、従業員3人が死亡するなどした爆発事故で、警視庁は12日、施工した大成建設(新宿区)で施設の設計を担当していた角田宜彦プロジェクトリーダー(50)と開業時の運営会社「ユニマット不動産」(港区)で保守管理業務を担当していた菅原啓之取締役(46)と社員(41)を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。


[事故原因等]

 調べなどによると、施設はポンプで源泉をくみ上げ、分離器で湯と天然ガスを分ける構造で、設計当初は分離したガスを機械室から直接、地上に出す設計だった。
 しかし、周辺住民からガス排出の際の騒音や爆発の危険性を懸念する意見が寄せられ、ユニマット側は大成側に設計変更を要請。大成側は機械室がある別棟と道路を挟んだ本館とを地下を通るU字形のガス抜き配管でつなぎ、本館からガスを排出する構造にした。
 このU字形の構造になった配管は底辺部分に結露した水がたまるとガスが逆流するため、定期的に水抜きをする必要があった。しかし、角田プロジェクトリーダーはユニマット側に渡した説明書などで水抜きの必要性を伝えず、2006年1月の開業から事故発生まで配管の水抜き作業が一度も行われなかったという。
 ユニマット不動産の菅原取締役らもガスの危険を認識しながら保守管理業者との契約の際、ガス抜き配管の点検項目を設けず、ガス検知器も設置しなかった疑いがある。機械室にはガスを排気するための換気扇が設置されていたが、何らかの理由で停止していたとみられる。
 警視庁は再現実験の結果、ガス抜き配管を逆流したガスが地下の機械室に充満し、源泉くみ上げ用の制御盤の火花で引火したと断定。水抜きやガス検知などを行わないなど安全対策が不十分だったことが事故原因と結論付けた。

(以上、12月12日日経新聞夕刊記事から)


2008/12/04 ここにも「疲労で集中力が落ちて」事故!

 2007.6新千歳空港で、離陸滑走中のスカイマーク機の前を全日空機が横断したトラブルは、「疲労で集中力の落ちた管制官が誤って離陸と滑走路横断を同時に許可したのが原因」とする運輸安全委員会の報告書が2008.12.8公表された。

 トラブル時の管制官の勤務はシフト制で、
am7:30-正午の勤務に就いた後、
pm4:30-翌am8:00に入る。トラブルはpm9:00過ぎに発生。


2008/12/03 安衛法施行令・安衛則の一部改正の施行について(いわゆる施行通達)

(再掲) 以下は原則「平成21年4月1日から施行」となります。

 労働安全衛生法施行令等及び労働安全衛生規則等の一部改正の施行について
 (平成20年政令第349号及び成20年厚生労働省令第158号)の施行通達(H20.11.26付け基発第1126001号)。

つぎの各事項の改正に伴う施行通達となる。
⇒ http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/hourei/081126-1.html

(1) 労働安全衛生法施行令第18条に規定する名称等を表示すべき危険物及び有害物、
(2) 同令第22条に規定する健康診断を行うべき有害な業務
(3) 同令第23条に規定する健康管理手帳を交付する業務
(4) 同令別表第3に規定する特定化学物質の範囲を拡大すること
(5) 労働安全衛生法施行令の一部改正令附則第3条に規定する製造等の禁止の規定が適用されていない適用除外製品等の一部について、その製造等を禁止するため、施行令等の所要の改正

(6) また、労働安全衛生規則、特定化学物質障害予防規則、作業環境測定法施行規則及び石綿障害予防規則について所要の改正を行ったもの
(7) ホルムアルデヒドに係る燻蒸作業におけるばく露防止対策の強化を行うため、特化則について所要の改正を行ったもの



2008/12/03 石綿等の全面禁止に係る労働安全衛生法施行令の一部改正令

(再掲) 平成18年9月1日から、石綿等の製造、輸入、譲渡、提供及び使用(以下「製造等」という。)が全面禁止されています(平成18年政令第257号)が、特殊な用途のジョイントシートガスケット等については、製造等の禁止が猶予されてきました。その後、一部について代替化等が可能となったことから、追加的に製造等の禁止措置がとられたものです。(平成20年政令第349号)

 具体的には、追加禁止製品は以下の製品。平成20 年12 月1 日以降(※1のイに掲げるものについては、平成21 年1 月1 日以降)は製造等を禁止。

1 ジョイントシートガスケットであって、次のいずれかに該当するもの

  イ 国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので100℃以上200℃未満の温度の流体を取り扱う部分に使用されるもの
 ロ 国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので3MPa 以上の圧力の流体を取り扱う部分に使用されるもの
 ハ 国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので450℃以上の温度の硫酸ガスを取り扱う部分に使用されるもの
 二 国内において製造される潜水艦に使用されるもの

2 うず巻き形ガスケットであって、国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので300℃以上の温度の腐食性の高い流体(pH2.0 以下又はpH11.5 以上のもの、金属ナトリウム、黄りん又は赤りん)、浸透性の高い流体(塩素ガス、塩化水素ガス、フッ素ガス、フッ化水素ガス又はヨウ素ガス)、酸化性の流体(クロム酸又はその塩)を取り扱う部分に使用されるもの

3 メタルジャケット形ガスケットであって、国内の既存の鉄鋼業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので1000℃以上の温度の高炉送風用熱風を取り扱う部分に使用されるもの

4 グランドパッキンであって、次のいずれかに該当するもの

 イ 国内の既存の化学工業の用に供する施設の設備の接合部分に使用されるもので300℃以上の温度の酸化性の流体(クロム酸又はその塩)を取り扱う部分に使用されるもの
 ロ 国内において製造される潜水艦に使用されるもの


2008/11/29 アスベスト除去作業の無人化(ロボット化)

 アスベスト除去作業の無人化(ロボット化)は、安全衛生確保の観点からも関係者の最大関心事の一つだが、2008.11.29日本経済新聞朝刊に「アスベスト自動除去ロボ」作業効率4倍(竹中工務店)の[紹介]記事が掲載されていた。

 写真と本文だけでは、ロボット化の場合においてもネックとなる「盛りかえ作業時」の安全衛生対策の詳細が分からないが、写真では自走・上下作業点の調整が自在のようだから、作業性能は向上しているのだろろう。

 下記は産業技術総合開発機構の「アスベスト含有建材等安全回収・処理等技術開発プロジェクト」のパンフレット。
 このパンフレットの4,5ページにロボット化の状況が紹介されていすので、併せ、参照をお奨めします。

⇒ http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/pamphlets/bio/asubesuto_project.pdf


2008/11/20 ロープの傷み軽減の新型シャックル

 <2008.11.19日本経済新聞朝刊に、次の記事を掲載されていた。>

「 重量物をつり上げる際に使う接続具のシャックルを製造する関西工業(広島県福山市、羽田和弘社長)は、ワイヤロープをつなぐ部分を幅広に改良した新型シャックルを製品化した。

 ロープの傷みが少なく寿命が延びる。
 設計変更で従来品より6割軽量化できたため、大型構造物の建設・運搬時の作業負担の軽減にもつながる。
 シャックルに掛けるロープの接触面積が広がることで荷重が一点に集中しない。
 形状を丸棒形から扁平(へんぺい)に変更したため鉄の使用量が減り、軽量化につながった。最大50トンの荷重をつり上げるシャックルで従来品に比べ幅を約1.7倍の15センチに拡大。重さは約6割減の35キログラムになった。価格は従来品に比べて5〜6割ほど割高になる見込み。
 同社はこの新型シャックルの強度を国内造船首位の今治造船(愛媛県今治市)で実地試験した。昨年の使用開始から1年7カ月が経過するが、使用したワイヤロープの摩耗が少なかった。比較した従来品はロープ内の芯がはみ出し、日本クレーン協会が定める廃棄基準に達したという。
 今治造船は今後、工場で使用するシャックルを順次、新型に切り替えていく方針。関西工業は造船各社をはじめ日本通運など物流大手にも採用を働きかける。」

(編注) 安全面にも寄与しそうだ。金賞授与!


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