「新・労働基準法」の実務解説
 
9.自由になった就業規則の別規定化

 
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H10改正・労基法の実務解説9
文責は労務安全情報センターにあります。施行通達が出た段階で一部書き換えがありますからご注意ください。(H11.1.24 記)


就業規則の別規定化
が自由に
予備知識
H10年改正のポイント
Q&Aでおさらい
施行通達確認







予備知識

1.就業規則は常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成・届出が義務づけられています。
  常時10人以上とされたのは使用者の事務能力等を考慮したもの(戦前の工場法は常時50人以上の職工を使用する工場主に義務を課していた。)

2.就業規則は使用者が作成するものですが、作成において労働者の参加(意見聴取)を求めているほか、周知の義務(重要=効力発生要件)を課しています。変更手続きも同様です。

3.法令、労働協約、労働契約との関係では次のような原則があります。
(1)就業規則は、法令、労働契約に反してはならない。
(2)就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。無効になった部分は、就業規則で定める基準による。






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H10年改正のポイント



1.就業規則はこれまで、別規則で定めることができる事項に制限がありました。
  具体的には、別規定化できるものは「イ.賃金、ロ.退職手当、ハ.安全衛生、ニ.災害補償・業務外の傷病扶助」の4つに限定されていました。
  例えば「育児・介護休業規定」なども厳密には別規定にすることができいなどの現実的でないなど問題もあった訳です。
  今回の改正で、この制限が廃止されました。


2.今回の改正に伴う注意点としては、

  就業規則本則に「…に関しては別に定める○○規定による。」として別規定化した場合、あくまで「就業規則」とは別規定を含んだものを指しますので、労働基準監督署への届出や労働者への周知は、その全てについて行う必要があることです。
  また、別規定の一部を変更したような場合にも、就業規則の変更届を必要としますので注意が必要です。

 注意事項!
1.  これまで別規定にすることを制限してきたのは、就業規則の内容を統一的に把握することが困難になることを避けるためとされてきました。 別規定化が出来るようになったとはいえ、この「就業規則の内容を統一的に把握できる」ようにする工夫が必要です。その基本は、
イ.就業規則の本則に、必ず、根拠となる規定を置く。
ロ.別規定にするのは「細かい規定となるため、本則に置くのになじまないものに限定」などの、原則をしっかり確立しておく。
などの対応が必要でしょう。
2. 就業規則の効力が発生するのは、労働者への周知行為が完了した時点!
この点は、従前と変りませんが、周知方法等について法改正がありましたので注意が必要です。







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Q&Aでおさらい

Q:なし