「新・労働基準法」の実務解説
 
15.就業規則の見直しポイント

 
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H10改正・労基法の実務解説15
文責は労務安全情報センターにあります。施行通達が出た段階で一部書き換えがありますからご注意ください。(H10.1.20 記)


就業規則の見直し&改訂作業のポイント15 全(あるいは大多数の)事業場において就業規則の見直しと改定が必要と思われる事項
制度を採用する場合は就業規則の整備を行うべき事項

○就業規則の見直し作業を行う場合のてチェック項目を整理してほしい、との要望があり、急遽、作成したものです。
 なお、当方は公的機関ではありません。ご承知の上で、参照御利用ください。それにしても、これだけの大幅改正で準備期間が少ないのは困りものですね。

○就業規則の改定作業に当たっては、各項目の改正ポイントを「改正・労基法の実務解説シリーズ」で解説していますので、参照してください。


No

チェックポイント

 

業規則の改訂作業

その他の作業

1 新設された3年以内の有期労働契約を活用する予定があるか
1.高度の専門的知識等を有する労働者を(新商品開発等又は事業の開始転換等)に関連して、3年以内の有期雇用として新たに雇い入れる制度を活用する予定がある場合は、就業規則の改訂が必要です。

2.満60歳以上の労働者を3年以内の有期雇用として雇い入れる制度を活用する予定のある場合は、就業規則の改訂が必要です。

■期間の定めのない労働契約及び1年以内の労働契約の範囲で今後とも運用可能な場合は、改正作業は不要です。
 
2 雇入れ時の書面による労働条件の明示   労働省のモデル様式等を参考に、「雇入通知書」の社内書式を作成して、4月以降活用できるよう準備する。
3 退職・解雇時の証明書の交付について規定の整備
 労働者の請求があった場合、退職時の証明書(解雇の場合はその理由を含む)を交付する旨の規定を整備又は新設することが、望ましい。
(権利義務に係わる事項は就業規則に規定するのがよい。)
 
4 1年単位の変形労働時間制を採用している場合は、当該規定の見直し
 1年単位の変形労働時間制を採用している事業場は、おそらく何らかの形で就業規則の改訂が必要になるので、改正労基法との擦りあわせ作業を行う。
現行就業規則と改正・労基法の対比は「H10改正のポイント」を参照。

■1年単位の変形労働時間制を採用していない企業は改訂不要。
 
5 一斉休憩の付与について現行規定はどのようになっているか
 就業規則の休憩に関する規定において、一斉休憩の適用除外の要件が監督署長の許可に係わるものとなっている場合は、改正労基法にあわせ改訂する。
 
6 36協定の有効期間を確認し、更新又は新協定に法改正事項を反映させる   現行36協定の有効期間はいつまでか。次回の36協定の締結に備えて、改正労基法との擦りあわせは終えたか。過半数代表者について選出要件に抵触する実態はないか。等について点検する。
7 女性の時間外、深夜業制限が廃止されたことに伴う見直し
1.就業規則において、女性に対する特別(保護)条項を持っている場合は、原則として削除の方針で、労使協議を行う。

2.一方で、未就学の子の養育又は家族の介護を行う労働者の申し出に基づく「時間外労働の制限」(激変緩和措置)について規定の整備を行う。
 
8 年次有給休暇規定の見直し
1.年次有給休暇の付与日数について、雇入れ後6.5年経過した労働者について20日間とする最低付与基準を満たしているか等について現行規定を点検する。多くの企業では就業規則の改訂が必要と思われる。

2. また、パートタイム労働者等の短時間労働者の年次有給休暇についても同様の見直しを行う。

3.規定化に当たっては、H11,H12年度は経過措置があるので注意する。
 
9 就業規則の内容に、男性・女性の区分表現を用いている箇所はないか
 この事項は、就業規則全般の見直しを要する。性別表現のある箇所は、原則としてこれを削除する。
 
10 過半数代表者の選出方法の点検   過半数代表者の選出方法について「内規」等を作成する。(労働者の過半数で組織する労働組合がないとき)
11 就業規則・労使協定等の周知
 就業規則や各種労使協定の労働者への周知方法について、就業規則の雑則、附則等に規定しておくことが望ましい。
 
12 60歳定年制への対応
 定年制を設けている事業場では、就業規則の定年制規定が満60歳未満になっていないか(H10。4施行)確認する。
 
13 母性の健康管理
 多胎妊娠の産前休業14週間及び妊産婦の健康管理措置にかかる規定の整備は完了しているか(H10.4施行)今、一度点検する。
 
14 男女雇用機会均等法の施行に対応した見直し
 1.福利厚生、住宅融資、独身寮入居基準、結婚退職優遇制度、教育訓練(内規等)の内容を、改正均等法と照らして点検する。

 2.セクシュアル・ハラスメント防止基準の作成を行う。
 
15 介護休業制度にかかる規定の整備
 介護休業規定(別規定とする場合、就業規則本則に委任規定を置く。)の作成は済んでいるか点検する。
 また、既に育児休業規定のみ実施している企業は、「育児・介護休業規定」として一本化することの是非についても併せて検討する。