小規模事業場の担当者のための
就業規則作成の手引き
小規模事業場の担当者が自ら、就業規則の作成にタッチする場合の手引き書です。
就業規則の作成を、難しいものと考える必要はない。9割かたのところは、誰にでも起草できる。もっとも、就業規則は今後の労使の権利・義務関係を規定するものでもあるから、最後のチェックだけは専門家に相談するのが、いいかも知れない。
規定例は、(社)全国労働基準関係団体連合会が労働省の委託事業として作成したモデル就業規則を使用している。解説は、労務安全情報センターにおいてまとめた(責任編集)。
この種のものは解説だけ読むのは、なかなか辛いもの。ここでは、より実践的にと、規定例を中心に置き、そこから、「リンクで解説に飛ぶ」ように工夫してみた。
■GO HOMEPAGE
■GO 640/480
■就業規則のページ
目次 | リンク | link2 |
就業規則 第1章 「総則」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第2章 「採用、異動」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第3章 「服務規律」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第4章 「労働時間、休憩、休日」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第5章 「休暇」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第6章 「賃金」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第7章 「定年、退職と解雇」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第8章 「退職金」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第9章 「安全衛生、災害補償、福利厚生」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第10章 「教育訓練」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
就業規則 第11章 「表彰と制裁」の規定のしかた | 規定例 | 解説を読む |
*** |
条項 |
条文内容 (リンクの貼ってある箇所には、作成上の具体的注意事項などの解説があります。) | 一般留意解説の有無 |
【総則】戻る | --- | 第1章 総 則 | あり |
(目的) | 第1条 | 1 この就業規則(以下「規則」という。)は、従業員の労働条件、服務規律その他の就業に関する事項を定めるものである。 2 この規則に定めのない事項については、労働基準法その他の法令の定めるところによる。 |
|
(適用範囲) | 第2条 | この規則は、第2章で定める手続きにより採用された従業員に適用する。 ただし、パートタイム従業員または臨時従業員の就業に関し必要な事項については、別に定めるところによる。 |
|
(規則の遵守) | 第3条 | 会社および従業員は、ともにこの規則を守り、相協力して業務の運営に当たらなければならない。 | |
【採用、異動等】戻る | --- | 第2章 採用、異動等 | あり |
(採用手続き) | 第4条 | 会社は、就職希望者のうちから選考して、採用する。 | |
(採用時の提出書類) | 第5条 | 1 従業員に採用された者は、次の書類を採用日から2週間以内に提出しなければならない。 イ.履歴書 ロ.住民票記載事項の証明書 ハ.健康診断書 ニ.前職者にあっては、年金手帳および雇用保険被保険者証 ホ.その他会社が指定するもの 2 前項の提出書類の記載事項に変更を生じたときは、速やかに書面でこれを届け出なければならない。 |
|
(試用期間) | 第6条 | 1 新たに採用した者については、採用の日から○か月間を試用期間とする。 ただし、会社が適当と認めるときは、この期間を短縮し、または設けないことがある。 2 試用期間中に従業員として不適格と認められた者は、解雇することがある。 3 試用期間は、勤続年数に通算する。 |
|
(労働条件の明示) | 第7条 | 会社は、従業員の採用に際しては、採用時の賃金、労働時間、その他の労働条件が明らかとなる書面およびこの規則を交付して労働条件を明示するものとする。 | |
(人事異動) | 第8条 | 1 会社は、業務上必要がある場合は、従業員の就業する場所または従事する業務の変更を命ずることがある。 2 会社は、業務上必要がある場合は、従業員を在籍のまま他の会社へ出向させることがある。 |
|
(休職) | 第9条 | 1 従業員が、次の場合に該当するときは、所定の期間休職とする。 イ.私傷病による欠勤が○か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないと認められたとき ○年 ロ.前号のほか、特別の事情があり休職させることが適当と認められるとき 必要な期間 2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、もとの職務に復帰させる。 ただし、もとの職務に復帰させることが困難であるか、または不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。 3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治ゆせず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。 |
|
【服務規律】戻る | --- | 第3章 服務規律 | あり |
(服務) | 第10条 | 従業員は、会社の指示命令を守り、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、職場の秩序の維持に努めなければならない。 | |
(遵守事項) | 第11条 | 従業員は、次の事項を守らなければならない。 イ.勤務中は職務に専念し、みだりに勤務の場所を離れないこと。 ロ.許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。 ハ.職務に関連して自己の利益を図り、会社の施設を私用に供し、または他より不当に金品を借用し、もしくは贈与を受けるなど不正な行為を行わないこと。 ニ.酒気をおびて就業しないこと。 ホ.会社の名誉または信用を傷つける行為をしないこと。 ヘ.会社、取引先等の機密を漏らさないこと。 ト.許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。 |
|
(出退勤) | 第12条 | 従業員は、出退勤に当たっては、出退勤時刻をタイムカードに自ら記録しなければならない。 | |
(遅刻、早退、欠勤等) | 第13条 | 1 従業員が、遅刻、早退もしくは欠勤をし、または勤務時間中に私用外出するときは、事前に申し出て許可を受けなければならない。 ただし、やむを得ない理由で事前に申し出ることができなかった場合は、事後速やかに届け出て承認を得なければならない。 2 傷病のため欠勤が引き続き○日以上に及ぶときは、医師の診断書を提出しなければならない。 |
|
【労働時間、休憩および休日】戻る | --- | 第4章 労働時間、休憩および休日 | あり |
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
(例1)完全週休2日制を採用する場合の規定例 1 所定労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。 2 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前8時30分 終業時刻 午後5時30分 休憩時間 正午から午後1時まで (1)〔会社一せい休日による場合〕 1 休日は、次のとおりとする。 イ. 土曜日および日曜日 ロ. 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)および5月4日 ハ. 年末年始(12月○日〜1月○日) ニ. 夏季休日(○月○日〜○日) 2 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。 (2)〔従業員を2班に分けた交替休日制の場合〕 1 従業員の休日は、次のとおりとする。 第1班 土曜日および日曜日 第2班 日曜日および月曜日 2 前項の班別については、○か月ごとに決定し、あらかじめ通知する。 3 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ第1項の休日を他の日と振り替えることがある。 (3)〔各人ごとに休日を指定する場合〕 1 従業員の休日は、平成○年○月○日を起算日とする4週間ごとに8日とし、各人ごとの休日は別に定める勤務割表により、各4週間が始まる1か月前までに通知する。 2 前項の休日は、1週間において少なくとも2日を確保するものとする。 3 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ第1項の休日を他の日と振り替えることがある。 |
|
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
(例2)隔週週休2日制を採用する場合の規定例 1 1週間の所定労働時間は、平成○年○月○日を起算日として、2週間ごとに平均して、1週間当たり40時間以内とする。 2 1日の所定労働時間は、7時間15分とする。 3 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前8時45分 終業時刻 午後5時 休憩時間 正午から午後1時まで 1 休日は、次のとおりとする。 イ. 日曜日 ロ. 平成○年○月○日を起算日とする2週間ごとの第2土曜日 ハ. 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)および5月4日 ニ. 年末年始(12月○日から1月○日まで) ホ. 夏季休日(○月○日から○日まで) 2 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。 |
|
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
(例3)国民の祝日等を活用して4週6休制こする場合の規定例 1 1週間の所定労働時間は、平成○年○月の第1週の日曜日を起算日として、4週間ごとに平均して、1週間当たり40時間以内とする。 2 1日の所定労働時間は、7時間15分とする。 3 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前8時45分 終業時刻 午後5時00分 休憩時間 正午から午後1時まで 1 休日は、次のとおりとする。 イ. 日曜日 ロ. 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)および5月4日 ハ. 年末年始(12月○日〜1月○日) ニ. 夏季休日(○月○日〜○日) 2 平成○年○月○日を起算日とする各4週のうち、前項の休日が6日に満たない4週については、休日が6日を超えない範囲内において当該4週における第4土曜日、第2土曜日の順に休日とする。 3 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ第1項および第2項の休日を他の日と振り替えることがある。 |
|
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
(例4〕1日の所定労働時間を7時間20分とし、月7日の休日にする場合の規定例 1 1週間の所定労働時間は、1か月(毎月1日から月末まで)ごとに平均して、1週間当たり40時間以内とする。 2 1日の所定労働時間は、7時間20分とする。 3 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前8時30分 終業時刻 午後5時 休憩時間 正午から午後1時まで 午後3時から3時10分まで 1 休日は、次のとおりとする。 イ. 日曜日および毎月第2、第4土曜日 ロ. 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)および5月4日 ハ. 年末年始(12月○日〜1月○日) ニ. 夏季休日(○月○日〜○日) 2 前項の休日日数が7日に満たない月にあっては、その月の第3土曜日を休日とする。 3 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ第1項および第2項の休日を他の日に振り替えることがある。 |
|
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
(例5)1日の所定労働時間を7時間5分とし、月2回の週休2日制を採用する場合の規定例 1 1週間の所定労働時間は、1か月(毎月1日から月末まで)ごとに平均して、1週間当たり40時間以内とする。 2 1日の所定労働時間は、7時間5分とする。 3 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前9時00分 終業時刻 午後5時20分 休憩時間 正午から午後1時まで 午後3時から3時15分まで 1 休日は、次のとおりとする。 イ. 日曜日および毎月第1・第3土曜日 ロ. 年末年始(12月○日から1月○日まで) ハ. お盆休日 (8月13・14・15日) 2 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。 |
|
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
(例6)1年単位の変形労働時間制を活用して、年間休日の付与日数を10日以上にする場合の規定例 1 従業員代表との書面協定により、毎年4月1日を起算日とする1年単位の変形労働時間制を採用し、1週間の所定労働時間は1年間を平均して、1週間当たり40時間以内とする。 2 1日の所定労働時間は、8時間とし、始業・終業の時刻および休憩時間は次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前8時 終業時刻 午後5時 休憩時間 正午から午後1時まで 3 第1項で定める書面協定において、その適用を受けない者とされた従業員の労働時間、始業、終業の時刻および休憩時間については、第○○条の定めるところによる。 1 従業員の休日は従業員代表との1年単位の変形労働時間制に関する書面協定の定めるところにより、毎年4月1日を起算日とする1週間ごとに1日以上、1年間に105日以上となるように次により指定して、年間休日カレンダーに定め、毎年3月○日までに各人に通知する。 イ. 日曜日 ロ. 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)および5月4日 ハ. 年末年始(12月○日〜1月○日) ニ. 夏季休日(○月○日〜○日) ホ. その他会社が指定する日 2 前項の書面協定において、その適用を受けない者とされた従業員の休日については、第○○条の定めるところによる。 |
|
(労働時間および休憩時間) (休日) |
第14条 第15条 |
〔例7〕週休1日制とし、1日の所定労働時間を6時間40分とする場合の規定例 1 所定労働時間は、1週間については40時間以内、1日については6時間40分とする。 2 始業・終業の時刻および休憩時間は、次のとおりとする。 ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、または繰り下げることがある。 始業時刻 午前9時 終業時刻 午後5時 休憩時間 午前10時30分から10分間、正午から1時間、午後3時から10分間 1 休日は、次のとおりとする。 イ. 日曜日 ロ. 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)および5月4日 ハ. 年末年始(12月○日〜1月○日) ニ. 夏季休日(○月○日〜○日) 2 業務の都合により必要やむを得ない場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。 |
|
(時間外および休日労働) | 第16条 | 1 業務の都合により、第14条の所定労働時間を超え、または前条の所定休日に労働させることがある。 この場合、法定の労働時間を超える労働または法定の休日における労働については、会社はあらかじめ従業員代表者と書面による協定を行い、これを所轄の労働基準監督署長に届け出るものとする。 2 女子(従業員を指揮命令する職務上の地位にある者(以下「指揮命令者」という。)および専門業務従事者を除く。以下、本条において同じ。)を法定の労働時間を超えて労働させる場合は、1週間について6時間(決算時における決算書類の作成等の業務に従事する者については2週間について12時間)、1年について150時間を超えないものとする。 また、女子を法定の休日に労働させることはない。 3 18歳末満の従業員には、第1項による時間外労働および休日労働をさせることはない。 4 女子および18歳末満の者については、午後10時から午前5時までの間に労働させることはない。 |
|
【休暇等】戻る | ****** | 第5章 休暇等 | あり |