「新・労働基準法」の実務解説
11.企画業務型裁量労働制
■HOMEPAGE ■640/480 ■新労基法と実務へ
企画業務型裁量労働制 |
1 | 関連法条文と省令 | 4 | 労使委員会設置モデル手順 | 7 | 法令様式 ・労使委員会設置届 ・労使委員会決議届 ・定期報告 |
2 | 指針 | 5 | Q&Aで理解する企画業務型裁量労働制 (基本編) |
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3 | 施行通達(解釈) | 6 | Q&Aで理解する企画業務型裁量労働制 (応用編) |
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企画業務型裁量労働制は、 |
導入のための要件 |
導入要件 |
解説mokuji |
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1 | 事業の運営上重要な決定が行われる事業場が対象であること。 | 対象事業場 |
2 | 事業場に、労使委員会が設置されていること。 | 労使委員会 |
3 | 労使委員会がその全員の合意により次の事項について決議をしていること。 | |
@ 対象業務 | 対象業務 | |
A 対象労働者の範囲 | 対象労働者の範囲 | |
B みなし労働時間 | みなし労働時間 | |
C 対象労働者の労働時間の状況に応じた健康・福祉の確保措置 | 対象労働者の労働時間の状況に応じた健康・福祉の確保措置 | |
D 対象労働者からの苦情処理に関する措置 | 苦情処理に関する措置 | |
E 対象労働者の同意、及び同意しなかった労働者に対する不利益取扱いの禁止 | 対象労働者の同意等 | |
F 決議の有効期間の定め | その他の決議事項 | |
G 健康・福祉の確保に関し講じた措置、苦情処理に関し講じた措置、及び労働者の同意書について、有効期間中及びその満了後3年間保存すること | その他の決議事項 | |
4 | 3の決議を所轄労働基準監督署長に届け出ていること。 | 所轄労働基準監督署長に対する届出と定期報告 |
(参考) | 作成・保存を要する書類一覧 「指針」の性格について |
(法38条の4第1項)
(指針第2の1・解釈) |
(指針第2の2・留意) |
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(法38条の4第2項1号) 労働者代表委員の指名と信任
ロ 労使委員会の設置について、様式第13号の3により所轄労働基準監督署長に届け出ていること。 (法38条の4第2項2号) ハ 労使委員会の議事は、議事録が作成され、保存・周知が図られていること。 (法38条の4第2項3号) ニ 労使委員会の同意を得て、「労使委員会運営規程」が作成され、それに基づいた運営がなされていること。 (則24条の2の4第6&7項)
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(法38条の4第1項)
(2号通達)
(則24条の2の4第5項) 一 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
(指針第4の4・留意) 指針において開示することが適当であるとされている事項
■労使委員会が決議を行った場合には、決議に委員全員の署名又は記名押印がなされるなど、労使委員会に出席した委員全員の合意によるものであることを明らかにしておく必要があります。 (施行通達) |
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労使委員会決議事項1 (指針第3の1(1)・解釈) イ 事業の運営に関する事項についての業務であること。 (法38条の4第1項第1号) ロ 企画、立案、調査及び分析の業務であること。 (法38条の4第1項第1号) ハ 当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務であること。 (法38条の4第1項第1号)
(法38条の4第1項第1号)
(指針第3の1(2)・留意) |
対象業務の例 (指針第3の1(2)ロ・留意)
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労使委員会決議事項2 (法38条の4第1項第2号) 労使委員会の決議には、「対象労働者となり得る者の範囲を特定するために必要な職務経験年数、職能資格等の具体的基準を明らかにしておかなければなりません。 (指針第3の2(1)・解釈) |
(指針第3の2(1)・解釈) ■客観的にみて、対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有しない労働者を含めて決議した場合、労働時間のみなしの効果は生じないものであることに注意してください。 (指針第3の2(2)・留意) |
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労使委員会決議事項3 (法38条の4第1項第3号) 労使委員会は、みなし労働時間について適切な水準のものとなるよう決議することが必要です。 (指針第3の3(2)・留意) |
(指針第3の3(1)・解釈) ■労働時間のみなしは、労働基準法第四章の労働時間に関する規定の適用に関し効果を生じるものであること。 (則24条の2の3第2項)
(施行通達) |
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労使委員会決議事項4 (法38条の4第1項第4号) 労使委員会は、次のいずれにも該当する内容の決議を行う必要があります。 (指針第3の4(1)・解釈) イ 使用者が対象労働者の労働時間の状況等の勤務状況(以下「勤務状況」という。)を把握する方法として、当該対象事業場の実態に応じて適当なものを具体的に明らかにしていること。その方法としては、いかなる時間帯にどの程度の時間在社し、労務を提供し得る状態にあったか等を明らかにし得る出退勤時刻又は入退室時刻の記録等によるものであること。 |
(施行通達) ■対象労働者については、業務の遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだね、使用者が具体的な指示をしないこととなるが、使用者は、このために当該対象労働者について、労働者の生命、身体及び健康を危険から保護すべき義務(いわゆる安全配慮義務)を免れるものではないことに留意することが必要である。 (指針第3の4(2)イ・留意) ■健康・福祉確保措置として次のものが考えられること。 (指針第3の4(2)ハ・留意) (イ) 把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること |
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労使委員会決議事項5 (法38条の4第1項第5号) 労使委員会は、苦情処理に関する措置を決議する必要があります。この場合、苦情の申出の窓口及び担当者、取り扱う苦情の範囲、処理の手順・方法等その具体的内容を明らかした決議であることが必要です。 (指針第3の5(1)・解釈) また、取り扱う苦情の範囲については、委員は、企画業務型裁量労働制の実施に関する苦情のみならず、対象労働者に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度等企画業務型裁量労働制に付随する事項に関する苦情も含むものとすることが適当である、とされています。 (指針第3の5(2)・留意) |
■苦情処理制度は、対象労働者にその旨周知すること。 (指針第3の5(2)ロ・留意) |
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労使委員会決議事項6 (法38条の4第1項第6号) 企画業務型裁量労働制に就かせる労働者については、労働者ごとに、かつ、決議の有効期間ごとに書面による同意を得る必要があります。 (指針第3の6(1)・解釈) また、同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません。 (法38条の4第1項第6号) |
(指針第3の6(2)イ・留意) ■労働者の同意については、書面によること等その手続に加えて、対象労働者から当該同意を撤回することを認めることとする場合にはその要件及び手続を決議において具体的に定めること。 (指針第3の6(2)ロ・留意) |
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労使委員会決議事項7 (法38条の4第1項第7号) イ 決議の有効期間(当分の間、1年以内の期間としなければなりません。) (則24条の2の3第1号、 ロ 対象労働者の労働時間の状況、健康・福祉の確保措置の実施状況及び苦情処理に関する措置の実施状況並びに対象労働者の同意に関する労働者ごとの記録を当該決議の有効期間中及び有効期間満了後3年間保存すること。 (則24条の2の3第2号) |
(指針第3の7(2)・留意) |
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(法38条の4第2項、 (2) 労使委員会の決議を様式第13号の2により届け出ること。 (法38条の4第1項、 (3) 定期報告は、決議が行われた日から起算して六箇月以内に一回、及びその後一年以内ごとに一回、様式第13号の4により行うこと。 (法38条の4第4項、 ※ 使用者の報告する事項は、対象労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況、対象労働者からの苦情の処理に関する措置の実施状況並びに労使委員会の開催状況であること。 (則24条の2の5第2項) |
(施行通達) ■決議は、規則様式第13号の2により、所轄労働基準監督署長に届出をしなければならないこと。この届出を行わなければ、法第38条の4第1項による企画業務型裁量労働制の効力は発生しないこと。 (施行通達) |
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11 作成・保存を要する書類一覧 企画業務型裁量労働制を採用する場合、次の書類等の作成・保存が必要となります。 (1)労使委員会の運営規程 運営規程の作成又は保存については、労使委員会の同意が必要です。 なお、この同意については、委員全員の合意によることは法令及び指針上求められていません。 (2)労使委員会の議事録 労使委員会の開催の都度作成し、その開催の日(決議が行われた会議の議事録にあっては決議の有効期問の満了の日)から起算して3年間保存します。 (3)労使委員会の決議 労使委員会の決議は、労基法第109条に規定する「労働関係に関する重要な書類」に該当しますので、同条により3年間保存が必要です。 (4)労働時間の状況並びに健康・福祉の確保に関し講じた措置 決議の有効期間中及びその満了後3年間保存します。 労働時間の状況に関する記録は、労働者ごとに、その状況を明らかにした出退勤時刻又は入退出時刻の記録を保存しておく必要があります。 (5)苦情処理に関して講じた措置 決議の有効期間中及びその満了後3年間保存します。 (6)労働者の同意書 決議の有効期間中及びその満了後3年間保存します。 |
■なお、左記の作成・保存義務のある書類以外では、次の所轄労働基準監督署長に対する届出及び定期報告の控えを保存しておきます。 ・労使委員会の設置届(様式第13号の3) ・労使委員会の決議届(様式第13号の2) ・所轄労基署長に対する定期報告(様式第13号の4) |
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12 指針の性格について 指針(企画業務型裁量労働制従事労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針。告示第149号)は、ガイドラインの性格を持つものであり、それ自体は法的拘束力を持ちません。 しかしながら、指針の中で「具体的に明らかにする事項」として解釈を示した部分に反してした決議は、法の規定自体に反することとなり、その結果、企画業務型裁量労働制のみなし労働時間の効果が生じず、対象労働者として決議で定められた労働者についても法第32条ほかの労働時間に関する規定が適用されることとなり得るものであること。(施行通達記第1の1(3))とされます。 |